春分(しゅんぶん)・清明(せいめい)

2011年04月【第6号】
  • 籠目(かごめ)/ 勿忘草(わすれなぐさ)色
    竹カゴの規則正しい編み目をモチーフとした籠目文様には、正三角形を上下に重ねた形(六芒星)に邪を払う力があるとされ、魔除けのしるしに使われたといいます。現在も使用されている例として、伊勢神宮周辺にある石灯籠が挙がります。いままさに天災による苦難と向き合っている方々に、これ以上の厄災が重ならないよう、細かい六芒星が組み合わさった強靭な文様を選びました。この柔らかな青は、春の季語として俳句や短歌などにしばしば登場する勿忘草の色です。ひとつひとつは小さな花ですが集まって咲く姿が子供たちのようで微笑ましく、心があたたかくなります。色言葉には「理知的」「判断力」という意味があり、現代の日本を生きるすべての方々に、心に留めておいてほしいことだと思い合わせました。

 頬をなでる風も軽やかで優しく、日差しも日ごとに明るく長くなってきた。そして新入生や新社会人のフレッシュな笑顔と日本人が大好きな桜が、街に咲き誇る季節がやってきた。

 太陽が真東から真西に沈み、昼と夜の時間がほぼ同じになる「春分」は、3月21日頃。「自然をたたえ生物を慈しむ日」として祝日にも制定されている。

春の春分、秋の秋分を挟んだ前後7日間は「お彼岸」。お墓参りなどの先祖供養を行い、春は「ぼた餅」、秋は「おはぎ」をお仏壇に供えるのもお馴染みの光景だろう。ちなみに、ぼた餅もおはぎも同じもの、春は牡丹の花が咲くから「ぼた餅」、秋は萩の花で「おはぎ」と呼び名がついたとか。

 4月5日頃は「清明(せいめい)」。これは「清浄明潔(せいじょうめいけつ)」の略で、「万物ここに至りて皆潔斎にして清明なり」という意味。草木や生き物すべてに生き生きとした気がみなぎり、清らかで鋭気満ち溢れる季節とされている。この時期は、生き生きと咲き誇る桜が、いつの時代も私たちを喜ばせてくれる。