江戸時代、五街道の起点となり、水上交通や町人街の発展により賑わいを見せた日本橋。現在も続く老舗店なども、同時代に数多く創業しています。当時の日本橋の盛り上がりや、今なお続く老舗店の登場などについてご紹介します。
様々な物産が集まり、人々が行き交う
1800年(寛政12年)頃、江戸の人口は120万人に達し、面積・人口ともに世界最大規模の都市のひとつとされていました。同時代のパリの人口が約50万人、ロンドンは約90万人というのですから、どれだけ盛況だったかがわかります。 そんな中、日本橋には、五街道と海運によって全国からさまざまな物産が集まり、日本橋のたもとには、魚河岸(魚市場)が並んで大変活気づいていたようです。その盛況ぶりは、「東洋のベニス」と例えられたり、「日本橋 竜宮城の 港なり」と川柳で歌われたほど。海に面した土地には運河や河岸が多数設けられ、問屋の倉庫が白壁を見せて並ぶ景色は、錦絵にも多く見ることができます。

(「熈代勝覧」複製絵巻より抜粋)

老舗の創業
「三井越後屋呉服店」や「白木屋」など、後に百貨店として現在まで続く老舗。これらの店は、江戸時代の日本橋で創業しました。ほかにも、日本伝統の「食」や「技」を伝える老舗も同時代に数多く創業し、現在もなお、魅力的な商品や技術を提供しています。
八木長本店

乾物の老舗
1737年(元文2年)創業
山本海苔店

海苔の老舗
1849年(嘉永2年)創業
千疋屋総本店

高級フルーツ店
1834年(天保5年)創業
日本橋木屋

刃物の老舗
1792年(寛政4年)創業
にんべん

鰹節の老舗
1699年(元禄12年)創業