雨の日でも心が弾む、お気に入りの傘 絆傘処

2012年06月【第20号】
  • 甲州織は糸を染めてから織るため、縦糸と横糸の上品で重厚な手触りと風合いが魅力。骨はカーボン製で女性でも持ちやすい。甲州織両面16 本骨長傘15,750円(全16色)。

  • 上/細部のパーツもすべて職人の手づくり。縫い糸は防水糸を使い、雨漏りを防ぐ。
    下/内側から見ても美しいようにと、手間ひまかけて縫い付ける飾り“ろくろつつみ”。

  • 上/生地の繋ぎ目をあえて飾りとし、内側の白い生地をちらりと見せた職人技が光る逸品。二重張り日傘29,400円。
    下/手が滑らないようにするための房。同店の傘は、すべて位置がずれないよう溝を掘って巻きつける。

 日本橋には、かつて傘職人をかかえる傘屋が70店以上あったという。しかしビニール傘の普及などから、その数も年々減っていき、いまでは傘職人ですら都内で20名ほどしかいない。そんな現状を変えるべく立ち上がったのが、1930年(昭和5年)創業の小宮商店だ。細部にまでこだわった純日本製の傘を世に広めようと同業者に声をかけ、昨年3月に「絆傘処」をオープンさせた。

 「純日本製のニーズはあるんです。ただ、職人が少ないため量産ができない。だから、まずはネット販売を中心にして、実際に手にとって見てみたい方のために、この場所をつくりました」と営業部長の田口長雄さんは語る。

 店内には呼びかけに応じた同業4社の商品が並ぶ。中でもいちばん人気は「甲州織両面16本骨長傘」。山梨県富士吉田でつくられる傘専用の甲州織は、生地の幅が傘の半径と同じため、端にミシン目がなく美しい。「傘の骨は、8本は“曲げ”と言われる縦のカーブがつくれるので全体の輪郭が秀逸で丈夫です。16本は開いたときに生地が丸いラインで広がって、素材感が綺麗にでますよ」。

 店内はショールームであるとともに、傘職人の作業場も兼ねている。そのため完成までの過程を見ることができ、オーダーメードや修理も直接受け付けているという、作り手との距離が非常に近い場だ。

 そろそろ梅雨入りの時期。この機会に絆傘処へ足を運んで、一生付き合っていける傘をひとつ、手にしてみてはいかが。

DATA
店名 絆傘処(ばんかところ)
住所 東京都中央区日本橋大伝馬町15-3
東京都中央区日本橋大伝馬町15-3
営業時間 平日10:00~18:00(土曜は前日までに要予約) 日曜・祝日休
URL http://www.bankatokoro.jp