蕎麦と日本料理の店として、日本橋で愛され続ける利久庵。気取らない雰囲気の中、艶のある真っ白な更科蕎麦とお酒に合う料理がいただける。ここでは、ランチタイムに人気の高い『納豆そば』をご紹介。
「利久庵に来たからには、これを食べないと」。そう語るリピーターが多いという『納豆そば』は、いまから35年ほど前に誕生したメニューだ。三重県出身の初代が、日本橋に店を構えたのは昭和27年(1952年)のこと。その後、何か新しいメニューをと『納豆そば』を考案したのだという。
ところが初めのうちは、なかなかお客さまに浸透しなかった。「冷たいおそばの上に納豆をのせるスタイルは、当時かなり斬新だったようです」と二代目の水谷弘さん。ヘルシー志向の高まりとともに、徐々に人気メニューへと成長していった。
レシピはその頃とほとんど変わらず、そばの上に納豆とかいわれ大根、大和屋のかつおぶし、山本海苔店の厚めの海苔、卵黄がのっている。器の底にあるつゆと絡めながら、お好みで千住ねぎと辛子を加えていただく。
おすすめの食べ方をうかがうと「特に決まりはないんですよ。ご常連の中には最初におそばを味わって、次に納豆を少しつまみ、最後に具と混ぜて召し上がる方もいらっしゃいます」と教えてくれた。確かに、そうするとそばの香りも堪能できる。
同時代に考案されたという『おろしそば』は、さっぱりとした味わい。青首大根にレモンを搾り、海苔や胡麻、糸削りのかつおぶし、ねぎの薬味でいただく。レモンの酸味が食欲をそそる、なんとも爽やかな一品だ。
暑い日が続くと、どうしても食欲が衰えがちになる。滑らかで喉ごしのよいそばをつるつると食しつつ、この夏を乗り切ろう。
店名 | 利久庵 |
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住所 | 東京都中央区日本橋室町1-12-16 |
☎ | 03-3241-4006(2階 03-3241-5010) |
営業時間 | 平日11:00~20:30、土曜11:00~16:00 日曜・祝日休 |
URL | http://www.rikyu-an.com |