穴子の旨味を知り尽くした専門店 日本橋 玉ゐ

2013年08月【第34号】
  • 『あなご箱めし/小箱』(1,600円)。穴子の味つけは「煮上げ」と「焼き上げ」から選べる。まずはそのままで、次に柚の皮やネギ、わさび、胡麻などの薬味を添えていただくのがおすすめ。〆に『焼骨 茶漬け用出汁』(200円)も合わせてどうぞ(写真次)。

  • 『焼骨 茶漬け用出汁』(200円)
    箱めしの一部をお椀によそい、焼骨と鰹節からとった出汁をかける。さっぱりしているので、さらさらといくらでも食べられそう。

  • 昭和に建てられた酒屋を改装した店舗。飾り窓や古い金庫など、そこここに当時の面影が残る。室町店もあり、こちらはお酒に合う穴子の一品料理が充実。各店で1日1,000本仕入れる穴子のうち、10~20本は刺身でも食べられるとか。

栄養価が高く、さっぱりといただける穴子は夏にぴったりの食材。1年のうちで、8月から10月にかけて旬を迎える。昼時には行列ができるほど人気の、都内でも珍しい穴子専門店「玉ゐ」の看板メニューをご紹介。

 日本橋髙島屋の裏手にある「玉ゐ」は穴子料理の専門店。もともと寿司職人だったオーナーが、9年前に仲間の職人たちと始めたのだという。「自分たちの技術を使って何かお客さまに喜んでいただけるお店はできないかと考え、年間を通して穴子を提供するお店をオープンしました」。

 穴子といえば寿司の握りや天ぷらがまず思い浮かぶが、この店では調理法を探求し、素材の旨みを最大限に引き出している。「穴子は頭から尾ひれ、骨まで捨てるところがない食材なんです」と店長の佐藤裕二さんは話す。

 穴子専門店が少ないのは、漁獲時期が限られているからだ。漁は最も美味しい穴子が獲れる梅雨から晩秋に集中している。そこで玉ゐでは、この時期に1年分を仕込んでしまうという。「5~6万本を捌いて煮つけた後、マイナス60℃以下の特別な冷凍庫で保存しています」。

 いちばん人気の『あなご箱めし』は、3通りの食べ方が楽しめるメニュー。寿司屋時代のお客さまのひとことがヒントとなり生まれた。「持ち帰った折り詰めをどんぶりに入れ、出汁をかけて食べたら美味しかったそうなんです。それを穴子でもできないかと考えました」。江戸前の味つけの煮穴子に、寿司職人の技がいかんなく発揮されている。

 「穴子の顔つきを見れば、味も産地もわかるんですよ」と笑う佐藤さん。穴子好きの職人たちがつくるとびきりの穴子料理を、ぜひご賞味あれ。

DATA
店名 日本橋 玉ゐ 本店
住所 東京都中央区日本橋2-9-9
03-3272-3227
営業時間 平日11:00~14:30(L.O.14:00)、17:00~21:30(L.O.21:00)
土・日曜・祝日11:30~15:30(L.O.15:00)、16:30~21:00(L.O.20:30)
URL http://anago-tamai.com

※上記は取材時の情報です。現在は異なっている場合がございます。予めご了承ください。