日本橋人形町の美奈福は、今年で創業66年目となるテイクアウト専門のおでん屋で、加藤惠子さん、八木雅子さんの姉妹が切り盛りしている。だしは開店当時から特選の本枯鰹節と煮干しで取り、「毎日おだしとタネを分けて、おだしは三重のザルで濾したあと、沸騰させてからしまうのよ」と惠子さん。次の朝、再び沸騰させ、新たに取っただしを加えてタネを入れる。「だからこのだしは66年ものなんです」と雅子さんが笑う。
おでんに欠かせない大根は、春先は北海道産のものを使い、冬には三浦産のものを使い、しっかり芯まで味を染み込ませてからおでん鍋に加えるという。『さつま揚げ』や『ボール』などのタネは複数の店から仕入れているので、一つひとつ食感や風味が異なる。「それが食べ飽きない理由じゃないかしら」と、今度は惠子さんが合いの手を入れてくれた。
なんとも温かい味わいのおでんは、だしごとビニール袋に入れ、経木にはさんだからしを別添えしてくれる。持ち帰ればすぐに食べられ、ほっこり笑顔になれる。
店名 | 美奈福 |
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住所 | 東京都中央区日本橋人形町2-11-12 |
☎ | 03-3666-3729 |
営業時間 | 12:30~18:00 日曜・祝日休 |