明治期から受け継がれる伝統のすき焼き 伊勢重

2017年01月【第75号】
  • 上質なお肉はさっと火が通ったくらいが食べ頃。必要に応じて仲居さんが手際よくつくってくれるので、大切なお客さまとの会食でも安心。

  • 素材は明かせないが、割り下はシンプルな材料を用いて、先祖伝来の割合でつくり上げている。

  • 会席コース5種類のほか、前菜少なめや特上牛のすき焼きが盛り込まれたコースなど特色あるコースも3種類ある。写真はCコース(7,600円)で提供されるすき焼き2人前。

  • 大小の座敷が揃う店内。畳にテーブル席の部屋は幅広い年齢層に嬉しい。

  • 小伝馬町駅と馬喰町駅の間にある店舗はシックな佇まいが印象的。1階では精肉の販売も行っている。

 明治2年(1872年)の創業から140年以上にわたり当時の味を守り続けている伊勢重。都内に現存するすき焼き専門店として最も古い歴史を持つ。
 伊勢重ならではの美味しさは三つの要素から生まれている。一つ目は昔ながらの炭火を使っていること。二つ目は昔と変わらずに肉を包丁で手切りしていること。肉目を見ながら切り分けるため、いちばん柔らかく美味しい状態が引き出せるという。三つ目は秘伝の割り下だ。甘さを控えてさっぱりと仕上げており、肉のうま味を引き立てる。「炭火は途中で火加減を調整できません。もちろん割り下や出汁で味を調整しますが、最初からしっかりした味だと最後に濃くなって食べ疲れてしまいます。そこで、うちでは昔からこの味なんです」と六代目店主の宮本重樹さん。

 牛肉の呼び名も独特だ。店では古くから“生肉(なま)”と呼んできた。1生は75gほど、一人前が2生で150gほどになる。「頑固に守り続けてきたというより、ただ変わらずにやってきただけなんですよ」と宮本さんは笑う。
 寒い夜に気の合う仲間と囲む鍋は格別。風情と落ち着きのある座敷で、細部まで心配りされたすき焼きをじっくりと味わいたい。

DATA
店名 伊勢重
住所 東京都中央区日本橋小伝馬町14-9
03-3663-7841
営業時間 昼 11:00~16:00、夜 16:00~22:00(L.O.21:30) 日曜・祝日休
URL http://iseju.com

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