老舗の蕎麦屋で過ごす 粋なひととき 室町砂場

2012年05月【第19号】
  • 本鰹の一番だしが香り立つ「おかめそば」1,400 円。島田湯葉(髪飾り)、蒲鉾(目)、玉子焼き(頬)、才巻き海老(鼻)、椎茸(口)で、おかめの顔に仕立てている。

  • 江戸通り沿いにあった創業地から、昭和49年(1974年)に現在の場所へ。昔の趣きはそのままに。

  • 上/2階の個室はすべて掘りごたつ式。部屋ごとに趣きが異なるので、ぜひ自分の目で確かめて。※一定額以上の食事をされる方のみ予約可。
    下/坪庭から自然光が差し込み、気持ちが和む1階。眺めのいい庭側は、席が空くまで待つ方もいるそう。

 暖簾をくぐり、店内に足を踏み入れると、「いらっしゃ~い」という元気な花番さんたちの声が笑顔とともに出迎えてくれる。初めての人でも、行きつけの店に来たような気分になれる、それが「室町砂場」だ。

 明治2年(1869年)の創業時より、提供している蕎麦は2種類。蕎麦の実の芯だけを挽いたさらしな粉の“ざる”と、内層・中層・外層のうち内層だけを使った一番粉の“もり”。前者は絹のように喉越しがよく、後者はほとんど雑味のない洗練された蕎麦の風味が愉しめる。

 お品書きは昼も夜も変わらないので、店内では明るいうちから蕎麦をつまみに軽く一杯、なんて姿も見かける。女将の村松洋子さん曰く、「昔は決まった方が多かったのですが、いまでは、若い女性が一人でいらして一杯飲んで行かれることも増えました」とのこと。

 女性一人でも気軽に利用できるのは、女将さんをはじめ、店で働く人たちの気配りが隅々まで行き届いているからだろう。いつでも、すぐ声の届く場所にいてくれる。そのさりげない“おもてなし”は、忙しいランチタイムでも変わらない。

 平日はもちろん、オフの日には江戸っ子のようにお酒と一緒に楽しむのもいい。江戸の伝統的な蕎麦「おかめそば」なら、彩り豊かなおかめの顔(具)をつまみに、蕎麦も味わえておすすめ。さらに蕎麦湯で、江戸前のやや濃口なつゆの変化も堪能できる。

 また、3年前に改装したという2階席は、事前予約が必要だが、贅沢な純和風の個室になっているので、ぜひ気のおけない友人や同僚、家族などを誘って利用したい。

DATA
店名 室町砂場
住所 東京都中央区日本橋室町4-1-13
03-3241-4038
営業時間 平日11:30~21:00(L.O.20:30)、土曜~16:00(L.O.15:30) 日曜・祝日休