日本橋エリア Nihonbashi Area

2016年10月【第72号】
  • 左/凧の博物館の館員である福岡さんは流暢な英語で対応してくれる。右/館内は所狭しと並ぶ凧の数に圧倒される。

  • 美しい漆器が並ぶ黒江屋。「風神雷神の絵柄もあるんですね。私、大好きなんです。意外と手頃な価格のものもあるのが嬉しいですね」

  • 日本橋のたもとにある船着場。今年の3月には利用者が30万人を突破するなど、多くの人が水上さんぽを楽しんでいる。

  • 日本橋長崎館では「ECO EDO 日本橋 2016」の特典である、長崎産のびわで作ったソフトクリームをいただく。

日本橋案内所の外国人コンシェルジュが、海外の視点で日本橋のおすすめスポットを紹介するコーナー。
 今月の案内人ライ(イギリス出身)がご紹介するのは日本橋エリア。スタートとなる日本橋船着場は、日本橋川、隅田川、神田川、東京湾とさまざまなコースのクルーズが発着し、年間約5~6万人が利用している。この日も夏休み期間中で多くの人が乗船を待っているなか、「暑い日でも船の上なら涼しそうですね」。

 コレド日本橋や日本橋髙島屋などの商業施設が立ち並ぶ中央通りから路地に入り、「たいめいけん」へと向かう。このビルの5階にはなんと「凧の博物館」がある。たいめいけんの創業者が収集した国内外約3,000点の凧の中から400点以上が展示されており、見なれない形状の凧も多い。「これ本当に飛ぶんですか」とライも興味津々。館員の福岡正巳さんは「最近は外国人のお客さまにも多く来ていただいています。お土産として買って帰られる方も結構いらっしゃいますね」と語ってくれた。
 博物館を出た後は、和紙の便箋や雑貨、金封などをそろえる「榛原(はいばら)」で日本の伝統文化に触れ、山梨、山口、長崎と3県のアンテナショップが密集するエリアへ。各県の特産物や工芸品など個性あふれる商品を楽しんだ。

 永代通りを越えて戻る途中には、どら焼きで知られる「うさぎや 中央通り店」、うちわと扇子の専門店「永頼堂美術店」、漆器の「黒江屋」などの老舗がそろう。特にライは漆器の美しさに惹かれたらしく、箸やお椀などを熱心に見入っていた。金鍔や飴で有名な「榮太樓總本鋪」や、種類豊富な『缶つま』がそろう「ROJI日本橋」も近いので、手みやげに悩んだらぜひとも足を向けてほしいエリアだ。
 百貨店や商業施設が並ぶ中央通りはもちろん、1本路地に入ると知られざる日本の伝統文化や地域物産など幅広い楽しみ方ができるこのエリア。ぜひその魅力を感じてみてほしい。

DATA

日本橋エリア
五街道の起点である日本橋の名称がそのまま町名となった商業と文化の街。現在も多くの企業がひしめくほか、歴史的建築と近代建築が共存し、老舗の路地の向こうに高層ビルといったユニークな景観が楽しめる。


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