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戸田屋商店

時代をうつす小粋な手ぬぐい

暮らしの道具や食から、新しい名物まで。ぜひ手にしてほしい、味わってほしい日本橋の逸品をご紹介する「日本橋 逸品図鑑」。今月は創業140年、注染(ちゅうせん)の浴衣と手ぬぐいで名高い「戸田屋商店」。

あでやかな絵柄や渋めの文様、ユーモア溢れるモチーフなど、多種多様なデザインを手がける「戸田屋商店」。明治5年(1872年)、木綿金巾(かなきん)問屋として開業し、現在は昔ながらの注染という型染め技法を用いて、浴衣や手ぬぐいを製造、卸販売している。

「かつて木綿は高価で、大事に使われていました。反物を浴衣に仕立てて、古くなると手ぬぐいにし、その後おむつとして使ったんです。“おむつ”は反物を6つに切ったという意味なんですよ。さらに雑巾にして、最後は生地を裂いて、はたきにしていました」と六代目の小林賢滋さん。エコな暮らしが見直されるいま、手ぬぐいへの注目もますます高まっているようだ。

デザインは、小林さんと2名の女性スタッフが担当する。「少しひねりを効かせるのがうちの特徴です。一見、繰り返しに見える柄も細部を大事にしています」。毎年新柄を考案し、多いときには30種類も制作するという。「古典柄も、登場した当時は古典ではなく斬新なイメージだったはず。時代を超えて残ったから古典になったわけです。自分もそういうものをつくりたいと思っています」。

手ぬぐいは祭りに欠かせない小道具。神田祭に出かける前に、ぜひお気に入りを手に入れて気分を盛り上げよう。

店舗情報

店名戸田屋商店
住所東京都中央区日本橋堀留町2-1-11
TEL03-3661-9566
Webサイトhttps://www.rienzome.co.jp/

※情報・価格等すべて取材時の情報です。現在は異なっている場合がございます。予めご了承ください。

日本橋ごよみ2013年05月【第31号】