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港屋

いまなお息づく竹久夢二の世界

数々の美人画を残し、大正浪漫を代表する天才画家として人気を博した竹久夢二。大正3年(1914年)に、自らがデザインした小物を作り、日本橋呉服町(現在の八重洲1-2)に創業した港屋絵草紙店は、粋を好む江戸の人々に愛され、いまも記念碑が残されている。

その流れをくむ「港屋」は、日本で唯一の竹久夢二専門画廊として全国の百貨店や画廊で展示会を企画するかたわら、夢二のグッズを取り扱う店を東京と京都に構える。

第1号店である浜町店は、様々な夢二の手刷木版画復刻版(18,900円~)が飾られ、作品の絵柄をあしらった絵葉書、便箋、ハンカチ、風呂敷などが所狭しと並び、訪れた人を圧倒する。「夢二のものを作るだけでなく、季節に合わせた小物や気に入ったものを仕入れているうちに、置き場に困るくらいになって」と語るのは、浜町店を20年近くに渡って担当する専務取締役の大平孝子さん。

かつて夢二が、人々の日常生活を豊かに美化するための小物を描き作らせたように、熟練の目利きが集めた品々は、見ているだけで心が弾む。誰かへのお土産や贈り物だけでなく、自分の傍にも置いておきたい、そんな気分にさせられる。

港屋絵草紙店には、夢二の自由な絵画精神に惹かれて、多くの画家や作家たちが出入りしていたという。この「港屋」にも、そうした“また訪れたい”と思わせる魅力が、夢二の作品とともに息づいている。

店舗情報

店名港屋
住所東京都中央区日本橋2-18-13 港屋ビル
TEL03-3865-1555
Webサイトhttps://yumeji-minatoya.co.jp/

※情報・価格等すべて取材時の情報です。現在は異なっている場合がございます。予めご了承ください。

日本橋ごよみ2012年03月【第17号】