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濱甼高虎

古くて新しい価値を紡ぐ店

江戸時代から職人の町とされてきた日本橋・浜町。その地に店を構える「濱甼高虎」は昭和23年(1948年)の開業だ。しかし前身は、日本橋・人形町に江戸後期に創業の染元「紺屋」という。紺屋の技術を受け継ぎ、今も染色工程にまで関わり半纏や暖簾、手ぬぐいや袋物などを仕立てている。

手軽に求めやすいと人気が高いのは、江戸っ子たちが出掛ける際、一切合切のモノを入れた「合財袋」やお守りを入れていた「掛守」だ。使いやすさはもちろんだが、描かれている判じ絵(はんじえ)*も洒落が効いていて楽しい。

玉の中に下駄を描いた「たまげた」、骸骨がキセルで一服する「骨休め」などは、図柄として見ても面白いが、種明かしされるとより魅力的に見えてくる。二代目・店主が手掛けるオリジナル判じ絵も興味深いので、謎かけの講釈をしてもらうのもよいだろう。

昔ながらの袋物だけではなく、時代にあわせトートバッグなども提案。しかし生地には、火消し半纏に使われた刺子や古典図案を染め抜いた手ぬぐいなど、トートバッグといえどそこにも江戸が詰め込まれている。

古くて新しい価値を紡ぐ、江戸っ子気かたぎ質の店である。

*ある意味を文字や絵に隠しておく遊びや謎かけ、判じ物や判じ絵と呼ばれた。

店舗情報

店名濱甼高虎 (はまちょうたかとら)
住所東京都中央区日本橋浜町2-45-6
TEL03-3666-5562
Webサイトhttp://www2.gol.com/users/ip0611031455/

※情報・価格等すべて取材時の情報です。現在は異なっている場合がございます。予めご了承ください。

日本橋ごよみ2011年10月【第12号】