手間暇かけた香り豊かなどら焼き
暮らしの道具や食から、新しい名物まで。ぜひ手にしてほしい、味わってほしい日本橋の逸品をご紹介する「日本橋 逸品図鑑」。今月は江戸時代から続く和菓子店「清寿軒」。
清寿軒は、文久元年(1861年)に創業した和菓子店。武家の町でありながらも町民が多く暮らしていた堀江町(現在の日本橋小舟町)で、江戸時代には大名家、明治から昭和にかけては花柳界の手土産として愛されてきた。その後、一般の小売を行うようになり、広く街の人々に親しまれるようになったという。

とりわけ人気が高いのが、手作業でつくられるどら焼きだ。ほんのりと焼き目の香ばしさが漂う皮と、小豆の粒がほどよく感じられる餡とのハーモニーが絶妙。「餡は豆をつぶさないように、手で練っています。大きな機械で練ると、皮がつぶれて口の中で残ってしまうんです」と七代目の日向野政治さん。
北海道の十勝平野で採れた小豆に純度の高いざらめを加えて煮る。火力が強いと煮崩れてしまうので、4~5時間かけてゆっくり火を通すという。出来上がった餡は一日寝かせて冷ましてから使う。「シンプルなつくり方だからごまかしが効きません。どら焼きは誰もが知っているお菓子。だからこそ、うちでしか食べられない美味しさをしっかりと守っていきたいと思っています」。
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店舗情報
店名 | 清寿軒(せいじゅけん) |
住所 | 東京都中央区日本橋堀留町1-4-16 ピーコス日本橋ビル1階 |
TEL | 03-3661-0940 |
Webサイト | https://seijuken.com/ |
※情報・価格等すべて取材時の情報です。現在は異なっている場合がございます。予めご了承ください。
日本橋ごよみ2014年03月【第41号】