一口では食べきれない特大カキフライ
昭和45年(1970年)の創業以来、地元に愛され続ける店・三友。どこかほっとするような温かい和食の数々がいただける。この店ならではのレシピでつくられる秋冬の人気メニュー『カキフライ定食』をご紹介。

日本橋人形町の甘酒横丁交差点から少し入った路地に佇む三友は、揚げ物と魚料理が自慢の和食店。店主の伊藤利次さんは、この地で生まれ育ったという。「親の代までは仕出し屋に場所を貸していて、私もそこで5年ほど修行しました」。冠婚葬祭向けにさまざまな料理を提供していたとか。その店の親方のすすめで、26歳の時「和風とんかつ三友」を開店する。
昼夜営業していたところ、夜に訪れるお客さまから「お酒のつまみに魚料理をつくってくれないか」との要望があり、いつしか刺身も出すように。「日本料理出身なので、もともと魚は得意なんです。いまも昔も旬のもの、活け締めの魚を吟味して使っています」。
開店して5年経った頃、あるきっかけでカキフライがスタートした。広島の牡蠣養殖業の社長がたまたま食事に訪れ、うちの牡蠣を使ってくれないかと言ってきたのだ。「承諾すると、毎日5kgの牡蠣が送られてきましてね。最初は一つずつ揚げていたんだけれど、量が多くてさばききれなくて」。そこで“複数個をまとめて揚げる”という現在のレシピが誕生した。
牡蠣のシーズンは10月から春先まで。出始めは小さいので、一つ揚げるのに14~15個使うという贅沢さだ。「原価も高いので、年内は赤字覚悟でやっているんですよ」と伊藤さんは笑う。10月1日が築地の牡蠣解禁日だが、今年は特別な計らいで9月30日からメニューに並ぶ予定。なんともクリーミーな特大カキフライ。牡蠣好きなら食べずにいられない。
ギャラリー



店舗情報
店名 | 三友 |
住所 | 東京都中央区日本橋人形町1-10-8 |
TEL | 03-3666-1684 |
※情報・価格等すべて取材時の情報です。現在は異なっている場合がございます。予めご了承ください。
日本橋ごよみ2013年10月【第36号】