ちょっと贅沢な粕漬を気軽な定食で
年末年始のご贈答品として人気の高い粕漬専門店「魚久」。厳選した素材をつかい、丹念に漬け込まれた粕漬は、長年、多くの食通に愛されてきた。その粕漬を熟練の職人の技とともに味わえるおひるのメニューをご紹介。
食に情熱を傾けた作家・向田邦子は、エッセイ「女の人差し指」で、「人形町へきたら寄らずにおれないところ」として魚久を綴った。贈れば喜ばれ、贈られればその日の食卓が心待ちになる、それが名店・魚久の粕漬だ。

奈良に生まれて京で修行を積んだ初代が、大正3年、日本橋蛎殻町に高級鮮魚の小売業「魚久商店」を営んだのが暖簾の始まり。昭和15年に二代目が江戸割烹を開いたところ、季節の会席で供した粕漬が評判を呼び、粕漬専門店「京粕漬 魚久」へと姿を変えた。この老舗の味を、店内でいただくことができるのが本店2Fにある「イートインあじみせ」だ。「まずはうちの粕漬を味わっていただきたい」という四代目・廣田光明さんの思いにより、8年ほど前からランチ限定の粕漬定食を始めたのだという。魚はすべて熟練の職人が炭火で焼いている。
3種類の定食のうち、一番人気はなんといっても「ぎんだら京粕漬定食」。脂の乗った上質なぎんだらに南魚沼産こしひかりのご飯、こだわりのお味噌汁、小鉢が二品と香の物がつく。互いが互いを引き立て合い、味わいが幾重にもふくらむ。日本に生まれてよかったと思える瞬間だ。「どうしたらお客様に喜んでいただけるか。それだけを考えてメニューを組んでいます」と取締役総務部長の小澤美昭氏。粕漬のうま味が最大限に引き出された定食を、ぜひ一度、味わってみてほしい。
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店舗情報
店名 | 京粕漬 魚久 イートイン あじみせ |
住所 | 東京都中央区日本橋人形町1-1-20 |
TEL | 03-3666-3848 |
Webサイト | https://www.uokyu.co.jp/ |
※情報・価格等すべて取材時の情報です。現在は異なっている場合がございます。予めご了承ください。
日本橋ごよみ2012年01月【第15号】