幕末に流行した江戸料理番付にも勧進元として登場
幕末の味まで愉しませてくれる、日本橋ならではの割烹
嘉永3年(1850年)、日本橋に仕出しの店として開業した「割烹 嶋村」。後に料理人としての確かな腕が認められて江戸城西の丸御用も務めたという。明治期には伊藤博文や井上馨など錚々たる政治家が、また今も多くの政治家や著名人が贅を尽くした会席料理を味わいに足繁く通っている。
由緒正しい老舗割烹ながらも少しも気取りがなく、引き戸を開けると八代目ご主人の加藤一男さんが温かい笑顔で迎えてくれる。

「夜は会席が中心ですが、昼は気軽に召し上がっていただける定食から少し贅沢な気分を味わえるお弁当や会席まで、色々とご用意しています」と加藤さん。
「嶋村会席弁当」は、口取り、刺身、揚げ物、煮物と嶋村の会席をお手軽に堪能できる嬉しいお弁当。白バイ貝やフワッと甘い卵焼きなど、江戸が薫る口取りからはじまり、上品な味わいの根菜の煮物、サクッと歯切れのいい海老や鱚きすの天ぷらと、季節を愉しめるお弁当は接待ランチをはじめ自分へのご褒美ランチとしても人気が高いそう。
また幕末の品書きを会席にした「幕末会席」(土曜限定30食・要予約)も注目が集まる。「代々伝わってきた品書きから特に人気のあった、うずら碗や鯛の兜煮、などの料理を会席に仕立て直しました。作り方もほぼ当時と変わりません。歴史愛好家だけでなく、ご両家の顔合わせなどの席にも珍しいからと頼まれることも多いですよ」。幕末の味まで愉しませてくれる、日本橋ならではの割烹である。
ギャラリー



店舗情報
店名 | 割烹 嶋村 |
住所 | 東京都中央区八重洲1-4-10 東京建物八重洲仲通りビル1-2階 |
TEL | 03-3271-9963 |
※情報・価格等すべて取材時の情報です。現在は異なっている場合がございます。予めご了承ください。
日本橋ごよみ2011年04月【第6号】