大正期創業の店で珈琲の香りに包まれる
地下鉄人形町駅近くにある喫茶去 快生軒は、大正8年(1919年)にミルクホールとして誕生した喫茶店。「お茶でも召し上がってください」という意味を持つ禅語の「喫茶去」という言葉が店名についたのは二代目の頃。昭和40年代に建てられた現在の店舗は、多少リニューアルも行ったが、雰囲気は昔のまま。クラシックな佇まいは、初めて訪れた人にもどこか懐かしく映る。

「頑固に古いものを守っているというわけではないんです。自然に任せてやっています」と四代目マスターの佐藤太亮さんは話す。あくまで珈琲や紅茶をゆったり楽しんで欲しいとトースト以外の食事類は提供していないが、お客さまからの要望に応える形でデザートを増やすなど、少しずつメニューは変わってきたという。
おすすめは自家焙煎の『ブレンドコーヒー』。50年近く豆の配合は変えておらず、柔らかな酸味が特徴だ。近くにある姉妹店のカフェロイドで焙煎を行い、毎朝、店まで豆を運んでくる。カップを片手に本を読んだり、友人と話をしたり。会社帰りのワーカーはもちろんのこと、地元住民や明治座での観劇帰りのお客さまにも愛されている。
ギャラリー




店舗情報
店名 | 喫茶去 快生軒(きっさこ かいせいけん) |
住所 | 東京都中央区日本橋人形町1-17-9 |
TEL | 03-3661-3855 |
※情報・価格等すべて取材時の情報です。現在は異なっている場合がございます。予めご了承ください。
日本橋ごよみ2016年02月【第64号】