日本橋ならではのおでん種も楽しめる 日本橋 お多幸本店

2015年05月【第55号】
  • 看板メニューの『とうめし』(税込390円)は、かつて裏メニューだったとか。出汁がしみた豆腐のとろけるような味わいが魅力だ。おまかせの『みはからい四品』(一人前 税込950円)とともに。

  • 皮を湯むきしたトマトをおでんの出汁とともに弱火でゆっくり煮込んだ『冷製おでんトマト』(税込400円)。トマトの酸味がまろやかになり、出汁の旨みと絶妙にマッチした夏季限定の一品。

  • カウンター席とテーブル席のある1階のほか、2 階と3 階にもテーブル席、4階には座敷がある。

  • お煎餅屋の缶からヒントを得てつくったという『おでん缶』(税込580円)は、銀座に店があった頃からの名物。持ち手もあり、お土産だけでなく屋外でおでんを楽しむのにも最適。

 大正12年(1923年)に創業し、平成14年(2002年)に銀座から日本橋の地に移転してきた日本橋 お多幸本店。豆腐やはんぺん、さつまあげなど、老舗の具材に関東らしい甘辛の出汁がしみこんだおでんをご紹介。

 東京駅八重洲口からも東京メトロ日本橋駅からも近い日本橋 お多幸本店。ふらりと気軽に入れる雰囲気のため、昼も夜も近隣のオフィスワーカーで賑わっている。

 この店のおでんの特徴は、なんといっても甘辛くて濃い関東風のおでん出汁だ。かつおと昆布、砂糖、醤油で仕上げた後、鍋に残った出汁を長年、つぎ足しながら味を守り続けている。

 カウンター越しの四角い鍋にはさまざまなおでん種が並び、見ているだけで楽しい。せっかくならば、日本橋らしい具材をいただいてみたいもの。はんぺんやさつまあげ、魚すじなどは、320年あまりの歴史をもつ老舗 神茂の品。とりわけはんぺんは鮫肉を用い、江戸時代から受け継がれた製法でつくられた深い味わいの逸品だ。ふんわりとした食感に出汁がほどよく沁み、口いっぱいに旨みが広がる。食べ終えてしまうのが惜しいほど。

 さらに、いちばん人気の『とうめし』も忘れてはいけない。醤油で味つけした茶めしの上に、柔らかな木綿豆腐を一丁乗せて提供される。豆腐は、明治40年(1907年)創業の人形町 双葉のもの。滋味にあふれ、なんとも心が和む。ランチと夜で、一日300食の注文があるというのも頷ける美味しさだ。

 「ちくわぶやしのだまきなど、関東にしかないおでん種をぜひとも召し上がっていただきたい」と店長の坂野善弘さん。おでん以外の料理も豊富。これからの季節は爽やかな『冷製おでんトマト』(夏季限定)を前菜に、地酒を楽しむのもいいだろう。

DATA
店名 日本橋 お多幸本店
住所 東京都中央区日本橋2-2-3 お多幸ビル
03-3243-8282
営業時間 平日11:30~14:00(L.O. 13:30)、17:00~23:00(L.O. 22:15)
土曜・祝日16:00~22:30(L.O.21:45) 日曜休

※上記は取材時の情報です。現在は異なっている場合がございます。予めご了承ください。