よそには決して真似できない〝江戸の味〟
江戸の終わり、日本橋東河岸に初代・与一が開いた食事処「樋口屋」。河岸で働く忙しい客相手の店ゆえに、お客が食べきれずに残したご飯やお菜を竹皮に包んで持たせたところ、その気遣いが評判に。
さらに最初から包んで持ち帰りたいという注文が増えてきたため三代目・松次郎は食事処をすっぱりたたみ、嘉永3年(1850年)に折詰料理専門店を開業する。弁当屋の松次郎、略して〝弁松〟と周囲から呼ばれていたあだ名が、そのまま屋号となった。

さて創業時から受け継いできた弁松の甘辛で〝濃ゆい〟味つけ。ヘルシーで薄口嗜好な今の時代においてなかなか異彩を放つ味である。だからこそ「よそには決して真似できない〝江戸の味〟。江戸のお惣菜やお弁当ってこんな味だったのかと愉しみながら食べてほしい」と八代目・樋口純一さん。
お手軽な一段弁当、贅沢気分を味わえる二段弁当など、様々なお弁当を提案する弁松だが、今春から仕掛けている「日本橋架橋100周年記念弁当」は、中身もパッケージも特別仕様のお弁当だ。「架橋100周年のお祝いの気持ちで作りました。職人が手間暇をかけて作る弁松のお惣菜のほぼすべてを味わっていただけます。白飯と赤飯、どちらも食べたいというお客様が多いので特別に両方入れて紅白おにぎりに」と樋口さん。限定版のお弁当ゆえにお早目にどうぞ。
ギャラリー




店舗情報
店名 | 日本橋 弁松総本店 |
住所 | 東京都中央区日本橋室町1-10-7 |
TEL | 03-3279-2361 |
Webサイト | https://www.benmatsu.com/ |
※情報・価格等すべて取材時の情報です。現在は異なっている場合がございます。予めご了承ください。
日本橋ごよみ2011年11月【第13号】