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玉英堂

驚きと感動を秘めた和菓子

人形町・甘酒横丁を歩けば、必ず目に入る玉英堂の暖簾。先代の店主が生誕の際に考案されたという「虎家喜(とらやき)」が大好評を博している。

「虎家喜」はただのどら焼きではない。秘伝の製法でつくられた皮は驚くほど柔らかく、餡は小豆そのままの食感を生かした“粒餡”が使われている。「通常、“つぶあん”といえば、軽く潰した餡を想像される方も多いと思いますが、うちでは潰さない粒餡と、つぶし餡、こし餡の3種類に分類しています」とこだわりを教えてくれたのは若旦那の今江康人さん。小豆は粒が大きく、味、香りともに豊かな北海道産の大納言を使用。粒丸ごとならではの食べごたえがある。

もう一つ、見た目からは想像のつかない品がある。このお店の代表作「玉饅(ぎょくまん)」だ。一見、素朴な紅白饅頭のように見えるが、中身はカラフルな5つの層からなるという、手間を惜しまない職人技が光る逸品。栗を中心に、つぶし餡、紅で染めた白餡、うぐいす餡を重ね、薯蕷(じょうよ)の皮でくるんでいる。全体的にあっさりとした甘さで、重なった餡の繊細なハーモニーをじっくりと味わえる。

どちらも一度味わえば、誰かに教えたくなる驚きと感動を秘めたお菓子だ。

店舗情報

店名玉英堂(ぎょくえいどう)
住所東京都中央区人形町2-3-2
TEL03-3666-2625

※情報・価格等すべて取材時の情報です。現在は異なっている場合がございます。予めご了承ください。

日本橋ごよみ2012年05月【第19号】