江戸情緒溢れる鰻料理屋 喜代川

2011年08月【第10号】
  • 大きさや脂のりを見て一番いい産地から鰻を仕入れる。7月、8月は静岡・吉田産や九州産が多いとか。蓋を開けた途端、垂涎ものの「うな重・松」3,000円

  • お座敷しかなかった喜代川にテーブル席を作ったのは四代目女将のアイデア。「気軽に愉しめるようになったとお客様には喜ばれました」

  • 大通りから一歩入ると、違う時間が刻まれているかのような数寄屋造りが現れる

証券会社が軒を連ねる日本橋小網町、ここに江戸情緒溢れる鰻料理屋「喜代川」がある。明治7年(1874年)創業、関東大震災後に建てられた趣ある数寄屋造りの一軒家で代々商いを続けている。

 ここの鰻でないと食べた気がしない、と多くの著名人や文化人などが通う「喜代川」。昼夜を問わず人気の鰻料理のコースは、伝統を感じさせる2階のお座敷でいただける。また1階のテーブル席では、老舗の味を手軽に愉しめるように「うな重」を用意している。

 朱塗りの器を開けるとフワッと湯気があがり、こうばしい香りが漂う、喜代川の「うな重」。ふっくらと蒸されて備長炭で焼かれた鰻は、ふんわりとけていくような柔らかさだ。味の決め手であるタレは「明治時代の伝統的な鰻屋のタレは辛かったんですよ。うちは伝統的な江戸の蒲焼ね」と粋な四代目女将の渡辺良江さんが話すように、やや辛めのスッキリとした味わい。

 関東の鰻は背開き、その理由を尋ねると「江戸は武家社会。腹からさばくと切腹に通じると嫌われたそうです。喜代川では、背開きにした鰻を白焼きして蒸しあげ、最後にタレをつけて腹側をさっと焼く。余分な脂も落ちて、こうばしく柔らかい蒲焼に仕上げています」と五代目・渡辺昌宏さん。

 もうすぐ土用の丑の日、でも丑の日に限らず食べたい、鰻なり。

DATA
店名 喜代川(きよかわ)
住所 東京都中央区日本橋小網町10-5
03-3666-3197
営業時間 11:00~14:00、17:00~20:00 日曜・祝日休
URL http://www.unagi-kiyokawa.com