江戸の味を代々受け継ぐ名店 割烹とよだ

2011年01月【第3号】
  • 刺身、焼き物や揚げ物など口取りの盛り合わせ、柿のゼリー寄せなど季節の果物を使ったデザートまで堪能できる「彩御膳」3,675円

  • 5代目や料理人の技を見ながら料理を愉しめるカウンターは人気。橋本さんが好きな日本橋景は「祖父も父も私も、そして娘も通った常盤小学校。今でも居合の稽古などで足を運びますが、思い出深い場所でもあり、名建築としての魅力も感じます」と話す

幕末の文久3年(1863年)に創業、140余年の歴史を重ねる「割烹とよだ」。江戸前割烹とも称される同店には、築地で毎日仕入れる旬の魚を愉しみに通う政財界のお客様も多い。

 5代目・橋本亨さんは「最近では、地域による旬食材や味つけにも大きな違いはなくなってきました。だからこそ江戸前の旬モノを取り入れる、煮物に濃口しょうゆを使う、など代々受け継いできた江戸の味を大切にしています」と話す。

 接待利用の多い「割烹とよだ」だが、お昼はOLやサラリーマンなどの利用も多く、数ある中でも贅沢な気分を味わえる「彩御膳」は人気のメニューだ。「旬の食材を使って華やかに仕上げたお昼ごはんです。季節の果物を使ったデザートも好評ですよ。新春にはデザートにおぜんざいを出すこともあります」

 さて「割烹とよだ」といえば、おせちも有名。おせち料理は、江戸庶民が「お節せ ちく供」と呼ばれる宮中行事を生活に取り入れたことがはじまりとされる。「東京のおせちは、江戸の折詰文化を受け継ぎ、お重にギュッと詰めこむスタイル。うちのおせちは、小鰭(こはだ)の粟漬け(酢の物)が入っていますが、これも江戸らしいね」と橋本さん。

 華やぐ新春には「割烹とよだ」で江戸を感じるお昼ごはんを愉しみたい。

DATA
店舗情報 ※一時休業中(2021年秋再開予定)
http://www.toyoda.tokyo/

※情報・価格等すべて取材時の情報です。現在は異なっている場合がございます。予めご了承ください。