1946年(昭和21年)創業の江戸切子の店 華硝(はなしょう)。職人による熟練の技が光る逸品は、国賓への贈答品やサミットの日本土産など、これまで数々の大切なシーンで日本を代表する贈り物として選ばれてきた。 日本橋本町にある店舗では、この歴史ある江戸切子づくりを体験することができる。まずは赤、青、ぶどう色から好きな色をチョイス。初めての方は、作業中にカットした模様が見えやすい赤やぶどう色がおすすめだそう。次に見本を見て、好みの模様を決め、マーカーで下書きを描いてから、硝子の上に機械で模様をカット。工房の職人は50種類もの金属歯を駆使して制作するというが、ここでは1種類の歯で底の部分から削り始める。実際に削ってみると、繊細な紋様を寸分の狂いもなく仕上げる職人のすごさがさらにわかる。
模様をカットしたら、ペンで描いた下書きをスチールウールで落として完成だ。通常、磨きは薬剤で行うことが多いが、華硝では昔ながらの手磨きを行っている。それにより、独特な柔らかい色彩が生まれるそう。わずか1時間ほどで、ぐい飲みを仕上げることができる。自分で削った江戸切子でいただく冷酒の味わいは、きっと格別だろう。