グレーター日本橋マガジン vol.15
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日本橋モノ語り 「小こ宮みや商しょう店てん」の 日傘 Vol.12 Mono Logue モデルが手にしている日傘は「極光/そら」¥27,500。麻の生地に染め上げられたオーロラのようなぼかし模様が美しく、カシ の木の中棒とエゴノキの持ち手が自然の安らぎを与えてくれる。日傘として使いやすい小さめの50cmサイズで、丈夫な10本骨。 麻生地に和紙を張り付けて ノウゼンカズラの花を表現 した日傘。日差しを受ける と足元に美しい影が現れる。 「とこはな/生成」¥35,200。 傘骨を隠すように内側から も生地を張り、見た目の爽 やかさとUVカットを実現 した晴雨兼用傘。「かわず 張り刺繍ドット」¥27,500。  東日本橋にある「小宮商店」は、日本 で数少ない国産の洋傘専門店。1930年 の創業以来、伝統的な技法を守りながら モダンな傘を作り続けている。裁断、傘 骨と生地の縫い合わせなどを全て手仕事 で行うため、1日に作れる傘はわずか4 ~5本。東京都の伝統工芸士に認定され た職人らが一つ一つ丁寧に仕上げる傘は、 使い心地がいいだけでなく、開いた時の フォルムやデザインも美しい。また、同 社の傘で多用される山梨県伝統の「甲州 織」の生地は高密度に織られているため、 耐久性や防汚性も高いのが特徴だ。「作 りのいい傘は、10年、20年と持ち続け られますし、壊れた場合は修理もできま 長く愛せる丈夫な一本でエコとオシャレの両立を す。今は傘もファッションの一部。見た 目にも愛着のある一本を末長く使うこと が、自ずと環境保護にもつながると思い ますよ」(広報担当)。夏場に重宝する「日 傘」の種類もさまざま。麻素材なら、強 い日差しの中でも木陰にいるような涼を 感じられ、洋装、和装どちらにもよくな じむ。ビニール傘を使い捨てる時代はも う終わり。上質な傘を大切に使い、エコ とオシャレを両立させよう。 PICK UP こちらの日傘もチェック! ※最新の営業状況は店舗にお問い合わせください 日本橋エリアで見つけたストーリーのあるモノにフォーカス。 今回は東日本橋の老舗洋傘店より、職人の技が詰まった「日傘」を紹介。 撮影/田村昌裕 スタイリング/大川枝里子 ヘアメイク/江指明美 モデル/花梨 取材・文/岡林敬太 編集/田中朝子(Roaster) 小宮商店 東日本橋ショップ 住東京都中央区東日本橋3-9-7  ☎ 03-6206-2970 営10:00~18:00(水 ~20:00) 休日祝 衣装協力/丸久商店(菊唐草文様 の浴衣 仕立て上がり、☎03-3663- 0939)、竺仙(麻兵児帯、店舗詳細 はP8)、その他スタイリスト私物 V 09

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