グレーター日本橋マガジン vol.15
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日本橋で買える! 老舗のエコグッズ 江戸の暮らしには    がいっぱい! 近頃エコトピックが豊富な日本橋だけれど、すでに江戸時代からその習慣は始まっていた! 現代の生活でも役立つ日本古来の知恵を、当時の文化に詳しい堀口茉純さんがレクチャー。 イラスト/イチハラマコ 取材・文/金城和子 編集/柳瀬 礼(Roaster) 二うちわで自分好みの 風を送る 打ち水で一 地面を冷やす 「江戸では道端の土埃を防い だり、お清めとしても定着し ていたそう。地面の温度が下 がって周囲がひんやりするの で、玄関前やベランダに水を まいて実践してみては?」 「江戸時代の女性は “推し”の 歌舞伎役者の絵などに地紙を 張り替え、繰り返し使ってい たとか。風の量や向きも調整 できるし、爽やかな絵柄を見 るだけでも涼しいですよね」 「浴衣は、糸をほどくと数枚 の大きな布(反物)になるため、 リメイクしやすいんです。肌 触りのいい綿素材が多いので、 作り替えるなら手ぬぐいやバ ッグがぴったりです」 伊い 場ば 仙せん 住東京都中央区日本橋小 舟町4-1 ☎03-3664- 9261 営11:00~18:00、 土~17:00(土曜の営業は 8/6まで) 休土日祝 江戸幕府御用達としても 名高い扇子店。うちわは 当時と同じ手法で、竹か ら手作りする。「浮世絵 師の版元でもあった歴史 あるお店です」。 知ってた? 堀口さんおすすめ 竺ちく仙せん 住東京都中央区日本橋小 舟町2-3 ☎03-5202- 0991 営9:00~16:30  休土日祝(7月は土曜も営 業) ※完全予約制 浴衣と江戸小紋を中心に 扱う老舗の逸品。「風通 しがいい浴衣は、夏の街 歩きに最適」。反物から 仕立てられるので、マイ 浴衣を作るのも◎。 伊場仙のうちわ 竺仙の浴衣 梨り 園えん染ぞめ 戸と田だ 屋や 商しょう店てん 住東京都中央区日本橋堀 留町2 -1 -1 1 ☎ 0 3- 3661-9566 営10:00~ 16:00 休土日祝 繊維の芯まで手染めした 手ぬぐいは、色彩豊かで 表裏ともに絵柄が楽しめ る。「同店特製の木綿は 上質な肌触り。冷房で冷 えた首元に巻いても」。 梨園染 戸田屋商店の 手ぬぐい 上/ 昭和家電 下/ 糸瓜 各¥ 1, 6 5 0 反物/綿紅梅小紋「熨 斗短冊の柄」¥78,100  帯/麻手描染帯「雪輪 の柄」¥99,000 江戸団扇・大満月(浴衣地)¥2,420 三着なくなった 浴衣は手ぬぐいに リサイクル ECO 真似したい、夏の江戸のエコ習慣 江戸時代は経済成長が停滞し ていたため、モノを無駄な く使ったり自然資源を活用したり するエコな生活の知恵が根付いて いました。例えば水をまいて涼む 『打ち水』。こちらも井戸が普及し たこの時代に編み出されたものな んですよ」と話す、堀口茉純さん。 そんな背景から、江戸の日本橋で は、現在でも親しまれている日本 古来の文化が続々と生まれたそう。 「一枚でさまざまな使い方ができ る手ぬぐいも、暮らしの便利アイ テムとして江戸時代に登場しまし た。無駄を省くアイデアにあふれ た江戸の生活には、現代人にとっ ても環境にやさしく過ごすヒント が多くあります。先人を参考に、 この夏はエコに涼を取ってみて」。 江戸文化歴史検定1級を持ち、 江戸に詳しすぎるタレント“お 江戸ル”として各メディアで発 信中。著書に『TOKUGAWA15/ 徳川将軍15人の歴史がDEEPに わかる本』(草思社)がある。 教えてくれたのは… お江戸ル・歴史作家 堀口茉純さん 江戸カルチャーには 夏のエコ術が満載! U T S 08

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