まち日本橋デジタルブック
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文化の新拠点を創る仕掛け人問屋街・馬喰町の外れ。昨年末に誕生した「DDD HOTEL」は、カフェやバー、ギャラリーを備えたクリエイターのための次世代ホテル。オーナーは、日本橋で70年続く衣料品問屋の4代目、武田悠太さんだ。ファッションスクールの誘致など、彼を介してエッジーな人たちが次々とつながりつつあるが、「DDD HOTEL」でもしかり。積極的にアーティスト・イン・レジデンス(滞在型創作活動)を行うなど、早くもカルチャーの発信地となっている。「今、感度の高い人たちが馬喰町エリアに集まってきています。古いビルや昭和のたたずまいが残るちょっと不思議な場所。そんな“日本橋の辺境”だからこそできる面白いことがある。これからも、既存の垣根を越えたエッジーな橋であり続けたいです」。人形町が華やぐ注目店の女おかみ将今年1月にオープンした、看板のない隠れ家小料理店「旬蕾」。女将の中村照葉さんは、福岡の日本酒バー出身、渋谷の人気居酒屋「ウメバチ」経由で、日本橋にやって来た。きっかけは「ウメバチのオーナーが日本橋の材木問屋の家系で、いつか地元で勝負したいともくろんでいた」から。系列店として人形町での開店が決まったとき、日本酒との付き合いが長い中村さんに白羽の矢が立った。看板の日本酒は「お客さんを見ながら、飲み頃のものを出したい」と、メニュー表は設けない。仕込みから1人で担当するツマミも、日本酒とのペアリングを第一に考える。「店に立つようになって、街の印象が変わりました。地元愛が強いけれど、新参者にも優しい。故郷の福岡に似ているかも」。今や定休日でも日本橋に来ては酒場を巡る、立派な“日本橋人”だ。中村さん考案の「甘酒 鶏すき焼」1人前¥1,900は、人形町といえばの甘酒横丁から想起した名物メニュー。日本酒はグラス¥700~。「私自身一人飲みをよくするので、女性のお一人様も大歓迎です」▢住東京都中央区日本橋人形町2-24-5 日本橋人形町澤井ビル1F ☎なし ▢営16:00~22:00(L.O.) ▢休土日 ※syunraisyunrai@gmail.comより予約可地上10階、地下1階の全11フロア。ビジネスホテルをフルリノベーションし、モスグリーンを基調としたスタイリッシュな空間へと生まれ変わらせた。ミニマルダブル1泊1室¥11,000~。たけだ・ゆうた●1984年東京都生まれ。コンサルティング会社勤務を経て、家業である「丸太屋」の子会社再生に着手。服飾雑貨の問屋業のほか、シェアオフィスの運営やOEM製造まで多岐にわたる事業を展開なかむらてるは●1991年福岡県生まれ。渋谷「ウメバチ」の看板スタッフを経て、「旬蕾」の女将に抜てき。福岡時代から酒蔵を巡っては日本酒を勉強。造り手の思いをお客さんに伝えるため奮闘中中村さんに会えるのはここ!旬蕾「新参者にも温かいこの街で、    長く愛されるよりどころになりたい」「ここは〝日本橋の辺境〟。      でもそれがいいんです」旬蕾 女将 中村照葉(29歳)ログズ株式会社 代表取締役CEO 武田悠太(36歳)しゅんらい▢住東京都中央区日本橋馬喰町2-2-1 ☎03-3668-0840DDD HOTELディーディーディーホテル武田さんが手がけたのはここ!※最新の営業状況は各店舗に直接お問い合わせください。7

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