受け継がれている初代の味 割烹 松楽

2011年12月【第14号】
  • 衣もお肉もサクッと噛み切れるヒレカツ。赤出汁、香の物、デザートがついた「ヒレカツ定食」2500円。 皿に添えられたケチャップとマスタードは洋食屋時代の名残でもある

  • 掘りごたつ式でゆったり寛げるお座敷。椅子が用意されている個室もある。掛け軸の書は、翠山という雅号を持つ三代目の手によるもの

  • 建物の随所に施された手の込んだ装飾も興味深い。街の真ん中にあることを感じさせない静かな店内

魚に定評のある割烹料理・松楽。数寄屋造りの落ち着いた空間でいただける名物のおひるメニューをご紹介。

 日本橋・むろまち小路の角をひょいと曲がれば、「割烹・松楽」と染め抜かれた暖簾が目に入る。ビルが立ち並ぶこのあたりには珍しい数寄屋造りの落ち着いた雰囲気が漂う店構えだ。

 昭和11年(1936年)、フランス大使館で西洋料理の研鑽を積んだ初代が西支料理*「松楽軒」として創業する。その後、洋食から割烹へと大きく転換。しかし三代目が調理場を仕切る今も、受け継がれている初代の味がある。

 それはお昼の品書きでも人気の高い「ヒレカツ定食」だ。「洋食屋の時代から人気があったヒレカツは、今でも松楽の味として品書きに据えています。昼は定食でも召し上がっていただけますし、夜はコースにプラスされるお客様も多いですよ」と三代目・石原一弘さん。

 注文ごとに棒状のヒレ肉を厚めにスライスして新鮮な油で揚げたヒレカツ。サクッと軽い衣の歯ごたえやジューシーで柔らかなお肉にご飯もすすむ。かなりボリュームはあるものの脂っこさもなく、女性や年配のお客様からも好評だそう。

 「昼は、お一人様からでも座敷でゆっくりと召し上がっていただけます。刺身、銀ダラ、きんき煮つけなど、松楽ならではの魚の定食も揃っていますし、これからは大粒のカキを使ったカキフライも美味しいですよ」と二代目・石原康弘さん。

 今年1年頑張ったご褒美として、風情あるお座敷でいただくちょっぴり贅沢な〝おひるごはん〟はいかがだろう。

*西洋料理と中国料理を提供する料理屋のこと

DATA
店名 割烹 松楽 ※2014年8月より、建替のため閉店中。
住所 東京都中央区日本橋室町1-11-2
03-3241-3573
営業時間 11:30~13:30、17:00~21:30(L.O.) 土・日曜、祝日休

※上記は取材時の情報です。現在は異なっている場合がございます。予めご了承ください。