いまなお息づく竹久夢二の世界 港屋

2012年03月【第17号】
  • 絵葉書や便せんは季節に合わせた絵柄を選んで商品化されている。どれにしようか迷ったときは店主に相談を。贈り物なら用途や相手に合わせて勧めてくれる。

  • 鞄の中にさりげなく携えておきたい。左から時計回りにコンパクトミラー1,260円、ダブルミラー(角型)1,260円、ダブルミラー(半円)1,575円

  • 夢二の絵柄をモチーフにした文庫カバー。しおり紐についている玉飾りもお洒落。左から「ちらし絵」「玉椿」「落款」。約16 × 11.5cm 各840円

  • 夢二のモチーフとして、いちばん人気の玉椿を大胆にあしらった風呂敷。「二四巾夢二 つばき」のグリーン(左)とあずき(右)。90×90cm各2,100円

  • レトロなパッケージが素敵な「竹久夢二ロマンハンカチ」。絵柄は左から「雪の風」「黒船屋」「椿」。各840円

数々の美人画を残し、大正浪漫を代表する天才画家として人気を博した竹久夢二。大正3年(1914年)に、自らがデザインした小物を作り、日本橋呉服町(現在の八重洲1-2)に創業した港屋絵草紙店は、粋を好む江戸の人々に愛され、いまも記念碑が残されている。

 その流れをくむ「港屋」は、日本で唯一の竹久夢二専門画廊として全国の百貨店や画廊で展示会を企画するかたわら、夢二のグッズを取り扱う店を東京と京都に構える。

 第1号店である浜町店は、様々な夢二の手刷木版画復刻版(18,900円~)が飾られ、作品の絵柄をあしらった絵葉書、便箋、ハンカチ、風呂敷などが所狭しと並び、訪れた人を圧倒する。「夢二のものを作るだけでなく、季節に合わせた小物や気に入ったものを仕入れているうちに、置き場に困るくらいになって」と語るのは、浜町店を20年近くに渡って担当する専務取締役の大平孝子さん。

 かつて夢二が、人々の日常生活を豊かに美化するための小物を描き作らせたように、熟練の目利きが集めた品々は、見ているだけで心が弾む。誰かへのお土産や贈り物だけでなく、自分の傍にも置いておきたい、そんな気分にさせられる。

 港屋絵草紙店には、夢二の自由な絵画精神に惹かれて、多くの画家や作家たちが出入りしていたという。この「港屋」にも、そうした“また訪れたい”と思わせる魅力が、夢二の作品とともに息づいている。

DATA
店名 港屋
住所 東京都中央区日本橋浜町2-18-5(明治座前)
03-5640-5978
営業時間 10:00~18:00(土曜~16:00) 日曜・祝日休(土曜不定休)
URL http://www.yumeji-minatoya.co.jp

※上記は取材時の情報です。現在は異なっている場合がございます。予めご了承ください。