暑さに負けないパワーめし!

夏もいよいよ後半戦。朝晩は少しずつ涼く感じられるようになりましたが、まだまだ暑い日が続きます。夏バテ気味で、食欲が落ちていませんか? 今号では、暑さや疲れを吹き飛ばす「パワーめし」をご紹介します。栄養価が高く、昔から食べられてきた6つの食材をピックアップ。おいしく食べて飲んで、体の内側から元気になりましょう!

2017年09月 【第83号】

うなぎ

うなぎ

誰もが知っている栄養豊富なうなぎ。
ビタミンAとEは、健やかな肌を保つために欠かせない栄養素で、
まだまだ日焼けが気になるこの時期には頼もしい食材。
また、疲労回復を促すビタミンB1も豊富に含まれる。

香ばしくてふっくら。うなぎの旨さ実感

松よし

『うな重』(税込2,200円)には、漬物と肝吸いがつく。このほか2,800円~ 4,500円まで全4種類。まずは熱々を存分に、それから相性のよい山椒をふっても。

松よし

どこか懐かしさの漂う店内はテーブル席のほか、奥には小上がりもある。うなぎを焼く香ばしい匂いがたまらない。

松よし

金融街の裏路地に立つ、昭和な雰囲気の店構え。

日本橋兜町にある松よしは、昭和25年(1950年)創業のうなぎ店。現在腕をふるう二代目は、その日の朝にうなぎをさばき、白焼きにしてから蒸してさらにタレをつけ、備長炭の炭火で焼き上げる。ほどよく脂が落ちてふっくらしたうなぎに、醤油とみりんだけという潔いタレが実によく合う。当代曰く、「うな重は熱々のご飯でなくては」とのこと。熱いご飯だからこそ、タレが飯粒にほどよくしみて美味しく食べられるという。その気遣いが、多くの人に足を運ばせる。

松よし 東京都中央区日本橋兜町9-5
☎ 03-3666-0732
月~金曜11:00~19:00
土・日曜・祝日休

納豆

納豆

納豆は、疲労回復の効果があるとされるビタミンB群が豊富なのが特長。
また、ネバネバ成分のムチンは胃の粘膜の保護にも効果的と言われているので、
暑さなどで胃が弱りがちな人にぴったり。

シンプルなのに満足感のある納豆そば

利久庵

『納豆そば』(980円)。具材のかつお節は大和屋、焼き海苔は山本海苔店という、日本橋らしさもあふれる一品。納豆だからこそ、薬味の洋がらしがよく合う。

利久庵

店舗は地下1階から3階まであり、そばは1階と地下1階で食べられる。2階は昼定食を提供、3階は宴席などの個室になっている。

利久庵

昭和27年(1952年)から続く利久庵は、そばの実の真ん中の部分を挽いた御ご前ぜん粉こと小麦粉を7:3で合わせて打った、軽やかで喉ごしのよいそばを出す店。こちらの夏の人気メニューは、『納豆そば』。なんと40年も続く夏の看板メニューだ。厳選した中粒の納豆を包丁で半分ほどに割り、かつおと海苔、貝割れ菜に卵黄を合わせる。ぐるりとよく混ぜて食べると、粒ごとでもなくひき割りでもない納豆がそばとよく絡み、かつおが香るやさしい風味のつゆとも相まって絶品。

利久庵 東京都中央区日本橋室町1-12-16
☎ 03-3241-4006
月~金曜11:00~15:00、17:00~20:30、土曜11:00~16:00
日曜・祝日休
www.rikyu-an.com

レモン

レモン

レモンに含まれる代表的な栄養素といえば、ビタミンC。
風邪の予防のほか、シミやそばかすの予防に効果があるとされる。
酸っぱい成分のクエン酸は、夏バテの疲労回復にも活躍。
暑い時期に積極的にとりたい食材の一つ。

夏の疲れを癒す、レモンの爽やかな酸味

レストラン東洋

『レモンスカッシュ』(650円)。レモンを絞ったときに出る種は、スプーンで丁寧に取り除いている。優しい炭酸と果肉の食感を楽しんでみて。

レストラン東洋

カラフルで懐かしいメニューが並ぶディスプレイは見ていてどこかほっとする。

レストラン東洋

日本橋駅から徒歩約1分と、アクセスも抜群。

昭和32年(1957年)創業のレストラン東洋のレモンスカッシュは、レモンをまるごと1個使った果汁あふれる一杯。築地で仕入れた新鮮なレモンを絞り、少量の果汁をグラスに注いだあと、炭酸水と一緒に残りのレモン果汁を注ぐので、炭酸が主張しすぎない爽やかな仕上がりになるという。お好みでシロップを回しかけていただく。最後にのせるさくらんぼは、昭和から変わらないレストラン東洋オリジナルの飾りつけ。見た目からも元気がもらえる、パワー満点ドリンクだ。

レストラン東洋 東京都中央区日本橋1-2-10 1階
☎ 03-3271-0007
月~金曜11:30~23:00(L.O.22:00)、土曜11:00~17:00(L.O.16:00)、祝日11:00~20:00(L.O.19:00)
日曜・第3土曜休

甘酒

甘酒

「飲む点滴」と言われる甘酒には、100種類以上の酵素、ビタミン類、必須アミノ酸など、
体を若々しく健康に保つための栄養素がたっぷり含まれている。
麹からしか生成されないコウジ酸は、肌の美白効果が期待できる栄養成分だ。

すっきりとした飲み口がくせになる

彦九郎 人形町店

涼を感じるグラスで提供される『冷やし甘酒』(税込150円)。甘すぎない後口さっぱりな味わいを楽しんで。

彦九郎 人形町店

店舗のある通りはその名も「甘酒横丁」。おかめのイラストが描かれた吊り下げ旗が目印。

もともと京都で創業し、昭和26年(1951年)に東京に移転。人形町の甘酒横丁に店舗をかまえて今年で12年になる、京菓子司 彦九郎。店舗前のベンチに座っていただく『冷やし甘酒』は、米麹を100%使用した、砂糖不使用、アルコールゼロの夏季限定メニュー(テイクアウトも可能)。静岡県の伊豆から仕入れた甘酒を、江東区新大橋の工場で加工している。塩を少し入れるのが特徴。冬のイメージが強い甘酒だが、実は夏の飲み物で、キンと冷やすと、さらりとした飲み口で何杯でも飲めそうだ。秋には、甘酒入りのまんじゅうを販売予定だという。

京菓子司 彦九郎 人形町店 東京都中央区日本橋人形町2-11-3
☎ 03-3660-5533
10:00~21:00
不定休

豚肉

豚肉

豚肉には、鶏肉や牛肉の約10倍のビタミンB1が含まれていると言われ、
夏の間に溜まった疲労や肩こりなどの解消に効果が期待できる。
さらに豚肉の良質なたんぱく質は、脳卒中などの生活習慣病予防に役立つと考えられている。

昭和30年代から変わらない味

とんかつ ボントン

『しょうが焼き定食(小)』(1人前150g 税込970円)は、ご飯と味噌汁、漬物付き。グリーンカール(リーフレタス)がしょうが焼きに彩りを添える。

とんかつ ボントン

まちの定食屋さんという雰囲気でくつろげる店内。壁には常連客による川柳が飾られ、人々に愛される店であることが伝わってくる。

水天宮前駅にほど近いとんかつ ボントンは、とんかつやエビフライなどの定食メニューを中心に展開する、昭和30年代創業の洋食店。豚ロース肉は、二代目店主自らがチェックし、状態の良いものだけをまるごと1本業者から仕入れているのだそう。『しょうが焼き定食( 小)』は、やわらかい豚ロース肉を、すりおろした生姜とにんにくの特製ダレに漬け込んで焼いた、ご飯が止まらなくなる人気メニューだ。テイクアウトできる『カツサンド』もおすすめ。

とんかつ ボントン 東京都中央区日本橋蛎殻町2-15-2
☎ 03-3666-7410
月~金曜11:30~14:00、17:30~21:00(L.O.20:30)、土曜11:30~14:00
日曜・祝日休

トマト

トマト

トマトに含まれるリコピンは、特に皮の部分に多いそう。
抗酸化作用が高く、紫外線などによって発生する活性酸素のダメージに対抗する力になる。
加熱するとリコピンが効果的に摂取できるともいわれている。

真っ赤なトマトで夏のダメージに対抗

あまからくまから

ブロッコリーやにんじんなど野菜たっぷりの『甘えびトマト鍋』(2,180円)は1~2人前。プラス500円(1人前)で追加できる、〆のチーズリゾットもぜひ味わって。

あまからくまから

落ち着いた照明で居心地の良い雰囲気。2人席のほか小上がりもある。グループで行くなら予約がおすすめ。

人形町駅からすぐのあまからくまからは、ジビエ料理と有機野菜を中心とした野菜料理が楽しめる居酒屋。常連客に人気なのが、トマトを丸ごと1個使った鍋。夏場は冷房による冷えに悩む女性からの注文が多いという。かつおだしをベースに甘えびからも旨みが出て、野菜たっぷりの鍋をトマトがうまくまとめている。合わせて栄養たっぷりのジビエも楽しみたい。初心者におすすめなのは、『えぞ鹿のステーキ』。

あまからくまから 東京都中央区日本橋人形町3-7-11 大川ビル 2階
☎ 03-3666-7410
月~金曜17:30~1:00(L.O.0:00)、土曜17:30~0:00(L.O.23:00)
日曜休