郷土の味と技

かつて五街道と舟運によって全国から物産が集まった日本橋では、近年になって各都道府県の情報発信店舗が増えています。今号では、日本橋エリアにある6店舗から各県の秋の味覚、技の逸品をピックアップしてご紹介。日本橋で各地を“旅”しながら、郷土の魅力に触れてみませんか。

2013年10月 【第36号】

「買う、味わう、体験する」が勢ぞろい

鈴鹿墨

国指定の伝統工芸品である"鈴鹿墨"でつくられた『雪月風花』(セット16,800円、単品 各2,100円)。磨り方によって色合いが変わり、薄めるほどに個々の色がはっきりしてくる。混ぜ合わせることで、色の表現は無限に広がる。

"三重が誇る食の逸品、伊勢えび

三重が誇る食の逸品、伊勢えび。10月には漁が解禁となるため、1階レストランで伊勢えびの料理が提供される(写真はイメージ)。11月頃には秋刀魚も登場予定。

イメージパース

"尾鷲ひのき"を使用した什器、組子の照明、伊賀焼や萬古焼のタイルなど、三重の工芸品をあしらった店内。内装自体が工芸品のディスプレイのよう(写真はイメージパース)。

運営総括監 吉仲繁樹さん

運営総括監 吉仲繁樹さん 「伊勢参りの出発点であり、かつて伊勢、松阪の商人が軒を連ねていたここ日本橋から、三重の魅力を発信していきます。ぜひお越しください」

三重テラス 9月28日、YUITO ANNEXに三重県の魅力を発信する新スポット「三重テラス」がオープンする。1階の物販コーナーでは、県を代表する特産品はもちろん、 他では取り扱いのない少量生産の隠れた名品など、ここでしか出会えない逸品も。本格的に"食"を堪能できるレストランも併設され、三重の旬の食材を使ったイタリア料理が提供される。2階の多目的ホールでは、セミナーやイベントも定期的に開催。さまざまな形で三重を楽しむことができる。


【9~10月 ピックアップイベント】
▶▶9月28日(土)~10月12日(土)
10:00~20:00
遷宮をテーマとした企画展


三重テラス
東京都中央区日本橋室町2-4-1 YUITO ANNEX 1・2階
TEL 物販03-5542-1033、レストラン03-5542-1030
営業時間...物販10:00~20:00、レストラン11:00~23:00、 多目的ホール10:00~22:00
無休(年末年始を除く)
www.mieterrace.jp

伝統の技が生み出す雑貨類が充実

『ひのきアロマライト(写真左)』(8,400円)と『ひのきライトM Leaf(写真右)』(15,750円)

あかり工房吉野の『ひのきアロマライト(写真左)』(8,400円)と『ひのきライトM Leaf(写真右)』(15,750円)。薄くスライスした檜や手漉き和紙を手作業で貼り合わせ、独特の陰影を表現している。

奈良を代表する秋の味覚、柿。

奈良を代表する秋の味覚、柿。ハウス栽培の柿は8月から販売され、9月半ば~年末には露地栽培のものが登場する。関連商品(通年販売)として、柿の葉寿司や柿ようかんもある。

奈良のマスコットキャラクター

奈良のマスコットキャラクター"せんとくん"が出迎えてくれる。入ってすぐ左手には、『柿の葉寿司』や『にゅう麺』といった奈良料理が味わえる「まほろばカフェ」も併設。

店長 藤田恵子さん

店長 藤田恵子さん 「奈良ゆかりの商品販売はもちろん、奈良の空気をここに再現できるような店づくりを目指しています。ゆったりとお楽しみください」

奈良まほろば館 "せんとくん"が目印の「奈良まほろば館」。柔らかな照明と木の温もりが印象的な店内には、柿や葛、奈良漬けといった奈良を代表する特産品や工芸品が手書きのポップとともにディスプレイされている。中でも、布巾、麻製品、靴下などの布製品が多く、これらは都内で入手できないものばかり。僧侶や学芸員による歴史講座やパネル展示なども定期的に行われており、日本橋にありながら奈良の文化、歴史に触れられる場所だ。


【9~10月 ピックアップイベント】
▶▶9月19日(木)~10月1日(火)10:30~19:00
アマテラスの長き旅路~元伊勢とその伝承地~
[奈良県内に点在する元伊勢伝承地のパネル展示]


奈良まほろば館
東京都中央区日本橋室町1-6-2 日本橋室町162ビル1・2階
TEL 03-3516-3931
営業時間...物販10:30~19:00、
カフェ11:00~19:00(L.O.18:30)
無休(年末年始を除く)
www.mahoroba-kan.jp

県産ワインのラインナップは都内随一

『甲斐絹薄絹真綿スカーフ』

富士吉田市のカシワギが生産している『甲斐絹薄絹真綿スカーフ』(各3,990円)。山梨県産の絹100%で、蚕の飼育から織り、染めまですべて県内で行っている。

『信玄武者ほうとう2人前』

山梨を代表する郷土料理"ほうとう"は、ワタショクの『信玄武者ほうとう2人前』(285円、野菜入りは735円)をはじめ、地粉を使ったものや塩分未使用のものなど、数種類を取り扱う。かぼちゃやきのこなど、秋の味覚をたっぷり使って味わいたい(写真はイメージ)。

ワインカウンター

店の奥にあるワインカウンターでは、銘柄によって試飲も可能。そのほか、江戸時代からの伝統を持つ印傳(いんでん)や水晶を使ったアクセサリーなど、伝統工芸品、雑貨なども並ぶ。

富士の国やまなし館 店長

富士の国やまなし館 店長「ワイン好きの方へのお土産から普段のお買い物まで、さまざまな用途でご利用いただけると思います。山梨県産の魅力的なものを見つけてみてください」

富士の国やまなし館 スタッフが見て、食べて、セレクトした山梨県の逸品が詰まった「富士の国やまなし館」。約1,000点の商品が並ぶ中、特に品揃えが豊富なのはワインで、世界でも注目されている"甲州"を中心に約150種類を取り揃える。これだけ多くの山梨県産ワインを扱う店は都内でも珍しいとか。東京に近いという地の利を活かし、火曜、木曜、土曜は産地直送の新鮮な減農薬・無農薬野菜も販売。仕事帰りに夕飯の食材として購入していくリピーターも多いという。


【9~10月 ピックアップイベント】
▶▶9月20日(金)~30日(月)11:00~19:30
国産ワインコンクール2013 受賞ワインフェア
▶▶9月20日(金)16:00~19:00
まるき葡萄酒 試飲会


富士の国やまなし館
東京都中央区日本橋2-3-4 日本橋プラザビル1階
TEL 03-3241-3776
営業時間...11:00~19:30
無休(年末年始を除く)
www.yamanashi-kankou.jp/tokyo

手土産から普段づかいまで

『ステンドグラスTAN』

あかり工芸「鍛冶工房 弘光」の職人、小藤宗相さんの『ステンドグラスTAN』(23,100円)。鍛冶業は古くから和鉄の産地として名高い出雲地方東部の伝統工芸で、和にも洋にも合う新たなスタイルの作品が生み出されている。

釜揚げそば

日本三大そばの一つ、出雲そば。3段程度に重ねられた丸い器に盛って出汁をかける"割子"や、水で締めずに釜から器に直接そばを入れてそば湯やつゆ、薬味などを加える"釜揚げ"といった食べ方が特徴(写真は"釜揚げそば"のイメージ)。10月下旬からは新そばも登場予定。

にほんばし島根館

店に入ってすぐのキッチンステージでは、定期的に試飲・試食イベントが行われ、買い物客で大いに賑わう。隣には、島根の旬の新鮮食材を使った料理や地酒を味わえる食事処「主水(もんど)」も併設。

スタッフ 寺下裕子さん

スタッフ 寺下裕子さん「常設の人気商品はもちろん、季節に合ったさまざまな物販イベントも開催しています。何度も足を運んでいただき、新しい島根を発見してみてください」

にほんばし島根館 今年で開館10周年を迎える「にほんばし島根館」。食品、三大菓子処である松江のお茶菓子、伝統工芸品など、約2,100点もの商品が並ぶ中、特に人気なのはしじみ製品や『あご野焼き』といった水産加工品だという。2010年には"生活に近づく"をコンセプトにリニューアルを行い、牛乳やヨーグルトなど、毎日の食卓に欠かせない食品類も充実。贈答用のお土産はもちろん、日常の生活に島根の豊かな食文化を取り入れるのに最適な品揃えだ。


【9~10月 ピックアップイベント】
▶▶10月1日(火)~7日(月)10:30~19:00
簸上清酒(奥出雲町)ひやおろしの販売[蔵元による試飲・販売]
▶▶10月10日(木)~13日(日)10:30~19:00
米田酒造(松江市)ひやおろしの販売[蔵元による試飲・販売]
▶▶10月18日(金)~29日(火)10:30~19:00
SHIMANE+D 神話の地 しまねから~デザインが寄り添う伝統のものづくり~[伝統工芸の若手職人10名による展示発表会]


にほんばし島根館
東京都中央区日本橋室町1-5-3 福島ビル1階
TEL 物販03-5201-3310、主水03-3231-2213
営業時間...物販10:30~19:00、
主水【昼】平日11:00~15:00(L.O.14:30)、
土日祝11:00~16:00(L.O.15:30)
【夜】17:00~23:00(L.O.22:30)
無休(年末年始を除く)
www.shimanekan.jp

日本橋に生まれた"新潟の橋"

『SUWADAつめ切り(クラシックL)』

三条市の金属加工業は全国的にも有名。諏訪田製作所の『SUWADAつめ切り(クラシックL)』(6,825円)は熟練の職人がすべて手作業でつくり上げた逸品。

新潟を代表する特産のお米

新潟を代表する特産といえば、やはり米。まもなく新米の季節となり、9~10月のイベントでも販売予定(写真はイメージ)。

入り口の暖簾には、施設のコンセプトを表現する橋が描かれている。

入り口の暖簾には、施設のコンセプトを表現する橋が描かれている。

チーフ 山本智恵子さん

チーフ 山本智恵子さん「新米、日本酒など、これからの季節は食のイベントが目白押しです。豊かな大地が育む秋の味覚をはじめ、新潟の魅力をご堪能ください」

ブリッジにいがた 人、企業、地域をつなぐ"架け橋"にちなんで名づけられ、昨年リニューアルオープンした「ブリッジにいがた」は、新潟県で活動するメーカーや団体などがイベントを行う場として活用されている。期間限定だからこそ季節に合ったものが並ぶことも多く、10月は特に"食"に関するイベントが注目だそう。金属加工品や桐たんす、和服なども人気なので、訪ねるたびに豊かな大地が育む新潟の味や、伝統の技が生み出す逸品との出会いが見つかるはず。


【9~10月 イベントスケジュール】
▶▶9月24日(火)~30日(月)
秋を愉しむ、十日町のきものと帯[越後の織物の展示販売]
▶▶10月3日(木)~8日(火)
秋のうまいもの祭り[新潟の名産品の販売]
▶▶10月9日(水)~14日(月・祝)
ながおか 秋の味覚と地酒[長岡の物産販売・観光案内]
▶▶10月15日(火)~20日(日)
新潟獅子の会 in 日本橋[新潟自慢の食と衣の販売]
▶▶10月21日(月)~27日(日)
米・酒・蕎麦 新潟県十日町市
[新米のおにぎり・ゆで蕎麦・十日町市の特産品の販売]
▶▶10月29日(火)~31日(木)
えちごせきかわ 温泉・観光・物産まつり
[関川村の物産販売・観光案内]


ブリッジにいがた
東京都中央区日本橋室町1-6-5 だいし東京ビル1階
TEL 03-3243-2840
営業時間...イベントにより異なる(下記HPをご覧ください)
不定休
www.daishi-bank.co.jp/information/bridge
※取り扱い商品はイベントによって異なるため、今回ご紹介した商品が販売されていない場合もございます。予めご了承ください。

ビジネス街にたたずむ"ミニ山口県"

『フリーカップ(写真左)』と『組湯呑(写真右)』

山口を代表する伝統工芸品、"萩焼"の『フリーカップ(写真左)』と『組湯呑(写真右)』(いずれも各2個入り3,500円、中原國輔作)。低い温度で焼くため柔らかく、使うほどに細かなヒビが入るなど表情の変化が楽しめる。湯呑の高台(こうだい)が欠けているのは、庶民が使うためにあえて傷物にしていたという歴史的背景による。

『季節外郎(5本入り)』(390円)

本多屋の『季節外郎(5本入り)』(390円)は、秋になると栗入りが登場(~11/30)。山口の外郎はわらび粉を使っているのが特徴で、柔らかな食感が楽しめる。10月中旬からは『岸根栗(がんねぐり)』の販売も始まる。

おいでませ山口館

定番人気の練り物製品のほか、季節によって旬のものが並ぶ。

スタッフ 横山政子さん

スタッフ 横山政子さん 「ビジネス街の一角で、地元山口と同じ雰囲気づくりをしています。日本橋の中にあるここ"ミニ山口県"で、山口の美味をお楽しみください」

おいでませ山口館 山口県の観光キャッチフレーズを冠した「おいでませ山口館」。三方を海に囲まれた豊かな自然から生み出される水産加工品や農作物、伝統の銘菓や工芸品など、約1,000点もの商品で県の魅力を伝えている。特に人気なのは練り物で、魚肉にいわしやれんこんを練り込んで揚げた『唐揚げちぎり』は仕事帰りに買い求める人も多いという。お茶を嗜む人に人気の伝統工芸品"萩焼"も見逃せない逸品。店内で演出されるゆったりとした時間の中、山口の自然、文化を堪能したい。


【9~10月 ピックアップイベント】
▶▶10月1日(火)~6日(日)10:30~19:00
仙崎・長門フェア [物産展(長門市の海産物など)]
▶▶10月24日(木)~25日(金)10:30~16:00
山口県観光・特産フェア[観光物産展]
※会場は日本橋プラザビル南広場となります。


おいでませ山口館
東京都中央区日本橋2-3-4 日本橋プラザビル1階
TEL 03-3231-1863
営業時間...10:30~19:00
無休(年末年始を除く)
www.oidemase-t.jp