「日本橋」が架橋100周年を迎えた2011年4月、橋のたもとに日本橋船着場が完成しました。これをきっかけに、日本橋は“水の都”という街の顔を取り戻し、いまではたくさんの船が発着しています。今号では、“水の都・日本橋”にスポットを当て、水辺環境の変化、数々の名橋、現在運航しているクルーズをご紹介。日本橋エリアで開催中の「ECO EDO 日本橋 2013」とともに、“江戸の涼”を楽しんでください。
2013年09月 【第35号】たくさんの観光船が発着する「日本橋船着場」。現在は年間5~6万人が利用しているという。
完成セレモニーの際に建立された「双十郎河岸」の記念碑。
名橋「日本橋」保存会 事務局長
永森昭紀さん
1961年に三越に入社後、1988年の架橋77周年記念行事を機に、名橋「日本橋」保存会の活動に携わる。以後、長年にわたり日本橋の美化、イベント等を通じた街の活性化に尽力している。
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日本橋[日本橋川]船が行き来することを考慮し、石橋でありながら幅広に設計された「日本橋」。有名な麒麟像や獅子像を含め「橋(8×4)=32個」の像が配置されているが、このうち橋上から見えるのは28個。残りの4つは川面から望むことができる。
常磐橋[日本橋川]都内でもっとも古い橋で、1877年に現在の石橋になった(現在は工事中のため通行止め)。「常盤橋」がもう一つ架けられてから、漢字表記の異なる「常磐橋」と呼ばれるように。上流には「新常盤橋」もある。
豊海(とよみ)橋[日本橋川]日本橋川と隅田川の合流地点に位置し、関東大震災後の1927年に架け替えられた。近くにある永代橋とのバランスを考慮し、梯子を横倒しにしたような珍しい形をしている。
両国橋[隅田川]明暦の大火後、非常時に備えて架けられた橋で、武蔵国と下総国を結ぶことから命名。1732年の大飢饉をきっかけに川開きで花火が打ち上げられ、「隅田川花火大会」のルーツとなった。
清洲橋[隅田川]関東大震災の復興事業として1928年に竣工。両岸の地名から一字ずつ取って名付けられた。ドイツにあるライン川の吊り橋をモデルにデザインされ、流れるようなフォルムは"女性的"と形容されることも。
永代橋[隅田川]徳川幕府の時代に架けられ、夏は納涼の名所として知られた。関東大震災で被災し、1926 年に現在の鉄橋に。放射線状の大規模アーチは重厚で、清洲橋に対して"男性的"と評される。
歩くスピードで川面を散策する「江戸東京号」。
ツアーに使用される「エスエスNANO1号」は、屋根がなく開放感がある。
東京水辺ラインの水上バスでもっとも小型の「カワセミ」。
冷暖房が完備され、快適な船旅が可能な「リムジンボート」。
定員40名の「第三大江戸丸」。
浮世絵を片手に、タイムスリップ体験ができるツアー。
水面を近くに感じられるオープン型の船でめぐる。
代表作「花魁」の流れを汲む今年の新作「大奥」。大きな金魚鉢を中心に大小さまざまな水槽を据え、"大奥"の複雑な世界観を表現。
左/入り口からメイン会場までの様子。趣向を凝らした水槽が展示されている。
右/金魚を着物の柄に見立てた新作「キモノリウム」。