雨水・啓蟄(うすい・けいちつ)

2017年03月【第77号】
  • Illustration by Ryuto Miyake

 立春も過ぎ、暦の上ではもう春。頬にあたる風はまだ冷たいが、そろそろ明るい色調の服や小物を身につけたくなる時季だ。
 2月18日頃は二十四節気で「雨水」。空から降る雪が雨に変わり、水辺の氷がとけ始める頃を意味している。早春のとけ残る雪を割るようにして雪割草が可憐な花を咲かせる。昔から農耕の準備を始める目安ともされてきた。春一番が吹く時季でもあり、寒い日と暖かな日を繰り返しながら、気温は少しずつ上昇していく。
 3月3日はひな祭り。ひな人形を飾り、邪気を祓う意味を持つ菱餅を食べたり、白酒をいただいたり、大人になっても女性にはどこか心華やぐ一日。

 3月5日頃は二十四節気で「啓蟄」。“啓”には開く、開放するという意味が、“蟄”には虫たちが冬ごもりするという意味がある。この頃になると土の中で眠っていた虫たちが活動を開始する。山野では草木が芽吹き、街中では庭木の桃のつぼみもほころび出す。本格的な春はもうすぐだ。