雨水(うすい)・啓蟄(けいちつ)

2015年03月【第53号】

 春の訪れが待ち遠しいこの時期。風はまだまだ冷たいが、各地から少しずつ冬じまいの便りが届くようになる。2月19日頃は二十四節気で「雨水」。冬の間に降り続いていた雪が雨に変わり、氷がとけて水になることを意味している。春一番が吹くのもこの頃だ。三寒四温を繰り返しながら、少しずつ寒さは緩んでいく。地方によってはこの日に雛人形を飾ると良縁に恵まれるという言い伝えもある。

 3月3日は雛祭り。“上巳(じょうし)の節句”とも呼ばれている。かつて、3月最初の巳の日は邪気に見舞われやすいといわれていたため、平安時代の貴族たちは災いを紙人形に託して、川に流す“流し雛”を習わしにしていた。それがやがて女の子の健やかな成長を願う行事に発展したという。雛人形を飾り、菱餅や雛あられを供えて、ちらし寿司や蛤の吸い物、白酒などをいただく。雛人形は立春過ぎから雛祭りの一週間前までに飾り、雛祭りが過ぎた後はできるだけ早くしまうのがよいとされている。

 3月6日頃は二十四節気で「啓蟄」。啓は開くという意味で、蟄は土の中で冬ごもりをしている虫を指す。寒さが和らぎ、陽気に誘われて、虫や動物が動き出すことを意味している。白や紅の梅の花が街にほのかな香りを漂わせ、やがて桃の花も咲き始める。春はもうすぐそこだ。