秋分(しゅうぶん)・寒露(かんろ)

2013年10月【第36号】

9月も後半になると、そよ吹く風に秋の気配を感じ始める。23日は二十四節気で「秋分」。昼夜の長さが同じになり、この日を境にして次第に日が短くなっていく。秋の彼岸の中日にあたることから、先祖の墓参りを行い、おはぎを食べる風習がある。空はぐっと高さを増し、雲は入道雲から鰯雲へと姿を変える。地方では田畑が収穫期を迎え、豊作の感謝と五穀豊穣を願う祭りが斎行される。

 10月1日は衣替えの日。学校の制服や和服が秋冬物に替わり、オフィスでも徐々に暖かみのある色や素材の装いが増えていく。おしゃれが最も楽しくなる季節だ。

 10月8日は「寒露」。秋の長雨が終わりを告げ、草木には冷たい露が落ちる。紅葉が美しく色づく条件は、日中の天気、昼夜の寒暖差、水分の3つといわれていて、この時期に夜が冷え込むほど色鮮やかになるとされる。街を歩いていると、どこからともなく漂ってくるのが甘い金木犀の香り。オレンジ色の花をつけるこの木は、沈丁花やクチナシとともに“三香木”の一つに数えられている。この頃になると栗やキノコ、秋刀魚が旬を迎え、冬に向かって旨みを増すふぐや牡蠣も市場に並ぶ。“食欲の秋”もいよいよ本番だ。

 日本橋室町では浮世小路沿いに、9月28日「三重テラス」がオープンする。心地よい秋の街をそぞろ歩きながら、郷土の味や伝統の技に触れてみてはいかがだろう。