処暑(しょしょ)・白露(はくろ)

2011年09月【第11号】
  • 萩/女郎花色(おみなえしいろ)
    「萩」は“草”かんむりに“秋”と書く字のとおり、代表的な秋草のひとつです。その萩の葉を、細かい錐彫りで一面に彫り出した文様は、単調なようでありながら遊び心があり、男女問わず人気があります。夏祭りなどで活気やにぎわいを堪能した後、ちょっと遠出をしたり、秋の実りを食べたりして、ゆったりと心身をほぐすのに秋は最適な季節。そんなのんびりとした愉しみを秋の七草のひとつである「女郎花」とともに表現しました。やや緑みの冴えた黄色の色目は、爽やかな中にも粋な風情があり、初秋の朝、目覚めたときに感じる、穏やかな朝陽と心地よい風を連想させます。

 お盆を過ぎると暑さもようやく落ち着き、朝や日暮れには涼風もそよぎ始める。あれほど暑さを憂えていたのに、涼しくなると夏の暑さを惜しむ気持ちになるから不思議なもの。もうすぐ夏休みが終わる、そんな子ども時代の焦りと切なさが交錯した記憶が、呼び起こされるからだろうか。

 8月23日は「処暑(しょしょ)」。日中の暑さもひと段落、朝夕は少し爽やかな気分で過ごせるようになってくる。そして9月1日は、立春を起算日にした雑節のひとつ「二百十日(にひゃくとおか) 」を迎える。昔から、大型台風の襲来が多いことから、収穫を迎えた農家の厄日とされていた。そこで風鎮めのために、この時期には全国各地で風鎮祭が催されている。

また大正12年(1923年)9月1日に発生した関東大震災にちなみ、現在では「防災の日」としても知られている。台風に地震と自然災害が多い我が国ゆえに、災害への備えを怠らないように気をつけたい。

 9月8日は「白露(はくろ) 」。白露とはしらつゆのこと、秋気が深まり草花に朝露がつくようになることをさしている。ようやく日中も涼しくなり、朝夕の高らかな虫の音が心地よい時期だ。

 さて暑さも落ち着いた秋のはじまりは、日本橋でアート散策はいかが? 巻頭特集では、個性的なギャラリーや企画展に力を入れる美術館など、アートの街・日本橋をご紹介。日本橋で芸術の秋をご堪能あれ。