雨水(うすい)・啓蟄(けいちつ)

2011年03月【第5号】
  • 蒲公英(たんぽぽ)/玉子色
    錐彫りだけで描かれた植物紋様には、銀杏や萩や橘など様々なものがあります。春の訪れを感じさせる蒲公英を模したこの紋様は、素朴ながらも心和む趣があり、あわせる色によって多彩な表現力を持ちます。植物のたんぽぽは、河原や道端にふと気がつくと咲いているような小さな存在ですが、これほど身近で春の芽吹きを感じさせてくれる花はないもしれません。春にふさわしい黄色は、菜の花色や山吹色などいろいろありますが、ひよこを連想させる温かみのあるやさしい玉子色を選びました。江戸時代前期から見られる染め色で、小袖の紋様を収録した「小袖雛形本」や、西鶴の「好色一代女」にも記述が見られる当時の流行色でした。

 まだまだコートは手放せないけれども、春を感じさせる軽やかなファッションに身を包んだ女性の姿も街に見られるようになってきた。

 降る雪も雨に変わり、積もった雪も解け始める時期とされる、24節気の「雨水(うすい)」は2月19日頃。寒さも峠を越える「雨水」は、昔から農耕の準備をはじめる時期とされていた。また地方によっては、この日に雛人形を飾ると良縁に恵まれるとも言われている。

 3月3日(旧暦では、4月初旬)は、五節句のひとつ「上巳(じょうし/じょうみ)の節句」である雛祭り。平安時代より宮廷では、上巳や端午の節句は邪気払いの日として祭事が執り行われてきた。江戸時代に徳川幕府が節句を祝日として認めたことから、徐々に庶民の間でも今のような形で広く親しまれるようになったとか。

 そして3月6日は「啓蟄(けいちつ)」。「蟄」とは土の中で冬ごもりしている虫のこと、その虫たちも春の訪れを感じて地上に出てくる頃。この時期は、ひと雨ごとに暖かくなり、日差しにも春を感じるようになってくる。

 さて外出もままならぬ寒い時期から漸く街歩きを愉しめる季節になってきた。そんな春気分を味わいに日本橋の街散策はいかがだろう?街散策を堪能した後は、特集で紹介している老舗やレストランで日本橋の春をご賞味あれ。


「ECO EDO日本橋」ってなんだろう?
江戸のまちに息づいていた共生の精神をいまに伝え、日本橋ならではのスタイルで創造し、発信する『ECO EDO日本橋』。日本橋ブランドとしてのECOスタイルを発信しながら、未来のお手本となるべきライフスタイルを提案するさまざまなイベントやプロジェクトを行っている。