第31回 日本橋七福神めぐり

2016年03月【第65号】
  • 今年で鎮座550年の節目を迎える小網神社は、財運が上がるという“銭洗いの井”もある。この日は仕事始めと重なったこともあり、数多くのワーカーも参拝に訪れ、長蛇の列ができていた。

  • べったら市で知られる寶田恵比寿神社前では、東京にいたか屋が中心となり、べったら漬けのふるまいも。また、末廣神社では獅子舞が出迎え、正月気分を盛り上げていた。

  • 山本海苔店や日本橋三越本店で参加者に配られた記念品。今年は約6,200人が参加したそう。ほかにも小津和紙ではお茶がふるまわれ、参加者をもてなした。

 毎年1月4日に日本橋三越本店主催で行われる日本橋七福神めぐり。今年で31回目を数え、旅行会社のツアーが組まれるほど人気となった恒例行事に、日本橋を歩くのは初めてというTさんに参加してもらった。
 日本橋三越本店で受付した後、まずはいちばん近い小網神社へ。福禄寿と辨財天(べんざいてん)を祀るほか、強運厄除けで知られる神社。今年厄年だというTさんは熱心に祈願。そこから布袋尊の茶ノ木神社、大国神の松島神社をめぐる道すがら、美味しそうな匂いに誘われて甘酒横丁へ。身体が温まりそうな甘酒や、手焼きの煎餅、たい焼きなどの店が並び、しばし食べ歩きを楽しんだ。

 甘酒横町を抜けると辨財天の水天宮(仮宮)が。Tさんは「水天宮は知っていましたが、ここも日本橋なんですね」と驚いた様子。この日は、あちこちに半纏を着たスタッフの方たちが立っていて、道案内をしてくれたので、Tさんのように初めて訪れる人でも迷わず各神社にたどりつけた。その後、寿老神の笠間稲荷神社で長寿を、毘沙門天の末廣神社で勝運向上を祈願。最後は仕事の依頼がたくさん来るようにと、商売繁盛の恵比寿神を祀る椙森神社と寶田恵比寿神社を参拝した。
 想像以上の人出に驚きつつも、新年の日本橋を満喫したTさん。「日本橋には百貨店やオフィス街のイメージがあったのですが、下町の風情も残っているんですね。素敵な雰囲気のお店がたくさんあったので、今度は友人を連れて食事や買い物に来たいです」と笑顔で語ってくれた。

DATA

日本橋七福神めぐり 恵比寿神・大国神・毘沙門天・辨財天・福禄寿・寿老神・布袋尊を参拝してご利益にあやかる新年の風物詩。日本橋の七福神は、すべて神社で構成されているのが特徴。約1時間程度でめぐれることから“日本一短い七福神めぐり”とも。

今回の参加者Tさん/東京都杉並区在住のライター(40代男性)。今年の福を呼び込むべく、日本橋七福神めぐりに参加。


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