東日本橋 Higashi-nihonbashi

2016年02月【第67号】
  • 甘い香りに誘われて入った「紀文堂」で人形焼をいただくアリア。「上品な甘さの餡に、柔らかい生地がしっとり馴染んでいて美味しい!」。

  • 人間国宝も太鼓判を押す、大正初期創業の三味線の老舗「鶴屋三弦店」。現在は三代目と四代目が製造から修理までをすべて手作業で行っている。

  • 年の瀬の恒例行事「薬研堀不動尊 納めの歳の市」は、正月用品などの出店が並ぶほか、曲芸や太鼓などの演目もあり、毎年買い物客で賑わう。左の写真は昨年の様子。

 日本橋案内所の外国人コンシェルジュが、海外の視点で日本橋のおすすめスポットをご紹介するコーナー。
 今月の案内人 アリア(アメリカ出身)がご紹介する東日本橋は、日本橋案内所から徒歩20分ほど。コレド室町2の脇から出ている江戸バス(有料)を使えば10分あまりで着く。訪れたら、まずは薬研堀不動院へご挨拶を。厄除けで知られる川崎大師の東京別院で、江戸三大不動の一つに数えられる名所だ。
 そこから隅田川方面に向かうと、思いがけず大きな東京スカイツリー®が現れる。この界隈の路地の多くは、両国橋方面にのびているので、あちこちで望むことができる。また、古くから多くの文化人、芸術家に愛されている「あひ鴨一品 鳥安」をはじめ、創業310年あまりのお茶の老舗「ほりつ茶舗」や、ボリュームのある鴨せいろで人気の「更科丸屋」などが並ぶ。

 さらに、川沿いを両国橋へ向かって歩くと、唐辛子を模した看板が見えてくる。七味唐辛子の老舗「大木唐からし店」だ。好みの辛さに調合してくれるうえ、瓢箪(ひょうたん)やカラフルな和紙柄の缶などの容器(有料)も扱っている。また、東日本橋駅の前には、人形焼や瓦煎餅で知られる「紀文堂」もあるので、甘党・辛党向けの手みやげが一度に揃えられる。
 駅前から一つ入った路地には、自家焙煎の豆を一杯ずつ挽いて淹れてくれる「珈琲亭 駱駝(らくだ)」がある。その隣の「鶴屋三弦店」は知る人ぞ知る三味線の老舗。職人の熟達した手さばきを、アリアも食い入るように見学していた。
 どこか時間の流れがゆるやかで、古き良き下町の風情漂う東日本橋。ぜひ足をのばしてみて。