好みで選べるカレー南蛮 日本ばし やぶ久

2012年12月【第26号】
  • 風味豊かなスパイスと、ほどよいとろみが特徴の『カレー南蛮そば』(945円)。広島産牡蠣を使った11月~2月限定の『牡蠣南蛮そば』(1,260円)もおすすめ。

  • 上/1~2階はテーブル席、3階は掘りごたつ席で全54席。いたわさや玉子焼などの定番メニューのほか、季節の天ぷらや鴨鍋などもあり宴会にも最適。 下/行灯型の看板が江戸情緒を感じさせる店頭。昼は16時まで営業しているので、ランチを食べ損ねてしまったときにも利用できる。

明治35年(1902年)創業の蕎麦屋「やぶ久」。永代通り近くにある店は、時代を超えて日本橋のオフィスワーカーに愛され続けてきた。今回は、もっとも注文が多いという『カレー南蛮そば』をご紹介。

 「やぶ久」は今年で創業110周年を迎える。老舗の多い日本橋の中にあって、創業当時からずっと同じ地で店を構えてきたという数少ない店だ。もともとは当地に「藪」という名前の蕎麦屋があり、その店を初代・久次郎さんが引き継いで「やぶ久」と命名したのだとか。現在のビルは昭和35年(1960年)に建てられたもので、いまでは少なくなった急勾配の階段が、昭和の名残を感じさせる。

 四代目の高橋義明さんが生まれる前からあったという『カレー南蛮そば』は、この店の看板メニュー。「どれも心を込めてつくっているんだけれど、気づいたら人気になっていてね」。その魅力は、蕎麦屋らしい出汁の効いたカレーの味だけに留まらない。この店では鶏肉か豚肉か、普通か辛口か、蕎麦かうどんかを選べるのだ。鶏肉には長ねぎが、豚肉には玉ねぎが取り合わせてある。さらに四代目が考案したという辛口は、スパイスも出汁も通常のものと変えている。

 「決してごまかしが効かない」という出汁には、上質なかつおぶしをふんだんに使用。そば粉は北海道産と茨城産をブレンドしている。蕎麦は、そば粉10に対して小麦粉が2という、“外二(そとに)”と呼ばれる割合で“二八蕎麦”よりもそば粉の含有量が多い。

 そのほか、温かいカレーに冷たい蕎麦を合わせた『つけカレーせいろ』もある。寒さが厳しくなるこの季節、好みの『カレー南蛮そば』を食して体の芯から温まりたい。

DATA
店名 日本ばし やぶ久(きゅう)
住所 東京都中央区日本橋2-1-19
03-3271-0829
営業時間 11:00~16:00(L.O.15:30)、17:00~23:00(L.O.22:30)
※土曜~21:30(L.O.21:00) 日曜・祝日休
URL http://www.yabukyu.com/

※上記は取材時の情報です。現在は異なっている場合がございます。予めご了承ください。