日常のおやつから特別な日の贈り物まで、ぜひ手にしてほしい、味わってほしい手みやげをご紹介する「日本橋 手みやげ」。今月は、江戸の味を受け継ぐ人形町亀井堂のお菓子をご紹介。
三千石の旗本だった江戸旧家の佐々木家が、昭和4年(1929年)、神戸元町の亀井堂総本店よりのれん分けされて創業した人形町亀井堂。当時、新興であった港町神戸のハイカラな食文化と、江戸の武士の家風を融合させた菓子づくりの精神は、いまも脈々と受け継がれている。
看板商品は、素朴で上品な味が特徴の瓦せんべいと、小麦粉と砂糖、はちみつ、卵の風味を活かした人形焼だ。『小瓦』は、140年前の配合を基本的に守りながら、甘みをほどよく控えた一品。薄焼きで、パリッとした歯ごたえが楽しめる。『人形焼』はバターや牛乳を用いないつくり方。北海道産小豆を100%使用したこし餡も店の上にある工場で毎日練り上げている。「余分なつなぎを一切入れていない皮は、もっちりとした食感が特徴です」と四代目当主の佐々木顯二さんは語る。
そのほか、夏にぜひともおすすめしたいのが『人形焼ジェラート』。2003年に登場した人気商品で、四代目が考案したという。爽やかな口当たりのジェラートにこくのある人形焼をきざんで合わせた新鮮な味わい。溶けにくいように、少し硬めに仕上げている。「守るべきものを守りながら、これからも新しいことにチャレンジしていきたいと思っています」。
店舗情報 | ※残念ながら閉店されました |
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