多彩な地図が手にとれる専門店 ぶよお堂

2015年06月【第56号】
  • 『あの日の日本橋』は店のオリジナル地図本。昭和25年から30年代の貴重な地図が写真とともにまとめられている。当時の地図には建物所有者の名前も記されている。(2,000円)

  • 上/伊能忠敬が1817 年(文化14 年)にまとめた『江戸府内図(南部図)』の復刻版は、なかなか見ることができない逸品。写真はその一部で、日本橋界隈の密度の高さがうかがえる。(3,800円)
    下/『2.5万分1地形図』は全部で4419面。現在は月50面ずつ3色刷りから多色刷りへと移行しているのだとか。写真は奥多摩エリアのもの。等高線が美しい波紋を描く。(3色刷り 各257円、多色刷り 各314円)

  • 店を訪れるのは、許可申請用の地図を買い求めるオフィスワーカーや登山愛好家、地図愛好家などが多い。 地球儀や柔らかい素材で丸めることが可能な立体地形図などもある。

  • 引き出し式の棚には、大型書店でも手に入りにくくなった全国の『2.5万分1地形図』が収められている

日常のおやつから特別な日の贈り物まで、ぜひ手にしてほしい、味わってほしい手みやげをご紹介する「日本橋手みやげ」。今月は、都内でも珍しい地図の専門店をご紹介。

 日本橋髙島屋の近くにある地図の専門店 ぶよお堂。明治30年(1897年)に武揚堂として創業し、当初は陸軍の教科書などをつくっていたという。戦後、国土地理院刊行地図の元売店となり現在に至っている。

 日本で地図が本格的につくられるようになったのは、江戸末期のこと。伊能忠敬が全国を測量し、国土地図『大日本沿海輿地全図』を完成させた。このほか忠敬は晩年、江戸府内図も製作しているという。「江戸が川や入江に囲まれた水の町だったことがわかります」(営業部部長 岡﨑充男さん)。

 明治から昭和初めまで、地図は陸軍の陸地測量部によって手描きでつくられていたが、戦後は国土交通省のもと国土地理院が測地データをまとめ、それを基盤にさまざまな地図が出版されている。「GPSに対応したデータも普及してきましたが、まだまだ肝心なところは紙ベースです」。東日本大震災では通信回線が一時不通となり、紙の地図が活躍した。船舶ではいまも紙の海図を積むことが法令で定められているという。

 店には古地図の復刻版や地形図、旅行用地図、手描き鳥瞰図など多種の地図が並ぶ。地球儀や星座図などもあるので、家族へのプレゼントにもおすすめしたい。

DATA
店名 ぶよお堂
住所 東京都中央区日本橋3-8-16 ぶよお堂ビル 地下2階
03-3271-2410
営業時間 10:00~19:00(土・日曜 10:00~17:00) 平日の祝日休
URL https://www.mapshop.co.jp

※上記は取材時の情報です。現在は異なっている場合がございます。予めご了承ください。