創造力を刺激する、美しい世界の毛糸たち Keito(ケイト)

2014年12月【第50号】
  • “段染め”という手法で染められた、ニュアンスある色味が特徴の毛糸『C-BO』(150g玉/120m 3,000円)。この帽子のように初心者でも作りやすい小物を、スタッフがたくさん提案していて、編み方のレシピやキットも用意されているので、編み物経験が浅い人でも挑戦しやすい。

  • イギリス、フランス、イタリアを中心に世界各国から集められた毛糸。国内での取り扱いは同店だけという珍しい品も。編み物をする方への手みやげにもおすすめ。

  • 入口ではセーターを着た二匹の羊がお出迎え。カラーコーンも毛糸でおめかし。

  • 2周年を迎えた店内には、毛糸でつくられた「2」の形の靴下と旗の装飾が。毛糸は玉の状態と編んだ状態とで印象が異なることがあり、店内には編んだサンプルも並ぶ。

日常のおやつから特別な日の贈り物まで、ぜひ手にしてほしい、味わってほしい手みやげをご紹介する「日本橋 手みやげ」。今月は、馬喰町駅ほど近くにあるカラフルな毛糸専門店 Keitoをご紹介。

 世界の毛糸を集めたKeitoの店内には、個性豊かな糸が並んでいる。店を運営しているのは、手芸関連の出版社である日本ヴォーグ社だ。素材を専門に扱う路面店の出店は、初めてのことだという。

 「当社は1954年に編み物の出版からスタートしました。現在は手芸全般を扱っていますが、ここ数年は原点回帰をテーマに、若い世代へ編み物の魅力を伝えることに力を入れています。街の手芸屋さんが減少し、ネットショップでなければ欲しい糸が手に入らない時代。色や手触りを実際に確かめられる場所があればと思い、この店をオープンしました」(日本ヴォーグ社 三根寛子さん)。

 できるだけゆったり過ごしてもらいたいと、奥にはテーブルスペースも設けられている。経験豊富なスタッフに、編み方や糸の特性などを気軽に相談することもできる。

 海外の毛糸は、染め釜ごとの色ブレや堅牢性などの基準が比較的、緩やか。そのためビビッドな色味や微妙なトーンの毛糸がつくりやすいのだという。取り扱う製品は、小中規模の工房のものが多い。それぞれの製造行程を聞くと、その国の風景が目に浮かび、繊維の歴史まで感じられて楽しい。

 「編み物に馴染みのない方にこそ、ぜひ完成した時の喜びを知っていただきたい」と話す三根さん。ハンドメイドのニットは、つくる人も使う人も心が温まるアイテム。この冬、ぜひお気に入りの毛糸に出会ってほしい。

DATA
店舗情報 ※2015年6月、ビル取り壊しに伴う移転のため閉店(市ヶ谷にて仮店舗営業中)

※上記は取材時の情報です。現在は異なっている場合がございます。予めご了承ください。