手間暇かけた香り豊かなどら焼き 清寿軒

2014年03月【第41号】
  • 『大判どら焼き』(1個210円)。上白糖と卵、純度100%の蜂蜜、小麦粉からなる皮は、ふっくらとした食感が特徴。グルテンの粘りが出ないよう、やさしく混ぜることで柔らかさが生まれる。

  • つやつやと光る粒餡が入った『最中』(1個210円)。どら焼きの餡よりも少し甘みが強いので、濃いめの煎茶と合わせていただきたい。

  • 人形町駅から徒歩5分ほどのところにある店舗。どら焼きは午前中に売り切れてしまうこともあるのだとか。事前の電話予約がおすすめ。

暮らしの道具や食から、新しい名物まで。ぜひ手にしてほしい、味わってほしい日本橋の逸品をご紹介する「日本橋 逸品図鑑」。今月は江戸時代から続く和菓子店「清寿軒」。

 清寿軒は、文久元年(1861年)に創業した和菓子店。武家の町でありながらも町民が多く暮らしていた堀江町(現在の日本橋小舟町)で、江戸時代には大名家、明治から昭和にかけては花柳界の手土産として愛されてきた。その後、一般の小売を行うようになり、広く街の人々に親しまれるようになったという。

 とりわけ人気が高いのが、手作業でつくられるどら焼きだ。ほんのりと焼き目の香ばしさが漂う皮と、小豆の粒がほどよく感じられる餡とのハーモニーが絶妙。「餡は豆をつぶさないように、手で練っています。大きな機械で練ると、皮がつぶれて口の中で残ってしまうんです」と七代目の日向野政治さん。

 北海道の十勝平野で採れた小豆に純度の高いざらめを加えて煮る。火力が強いと煮崩れてしまうので、4~5時間かけてゆっくり火を通すという。出来上がった餡は一日寝かせて冷ましてから使う。「シンプルなつくり方だからごまかしが効きません。どら焼きは誰もが知っているお菓子。だからこそ、うちでしか食べられない美味しさをしっかりと守っていきたいと思っています」。

DATA
店名 清寿軒(せいじゅけん)
住所 東京都中央区日本橋堀留町1-6-1
03-3661-0940
営業時間 9:00~17:00(どら焼きが売り切れ次第終了) 土・日曜・祝日休