時代をうつす小粋な手ぬぐい 戸田屋商店

2013年05月【第31号】
  • (奥から時計回りに)『自転車』、『朝ごはん』(各1,050円)、『蝶文様』、『オカメインコ』(各840円)。自転車には10種類以上のモデルが描かれている。蝶文様は昭和30年代の子どもの浴衣柄にヒントを得たとか。

  • 神田祭にはぜひ、こんな柄の手ぬぐいを携えて行きたい。(左上から時計回りに)『板締め豆絞り』(1,890円)、『お祭り』(1,575円)。半纏型に折って飾ることができる手ぬぐい『きりえ』、『レンガ』(各1,260円)。

  • (左上から時計回りに)『歌舞伎粋比べ』、『キセルの煙』、『竹文様』、『かんざし』、『つばめに柳』、『櫛』(各1,050円)。現代のモチーフだけでなく、昔の型紙や文様をヒントに、新しいデザインを起こすことも多い。

暮らしの道具や食から、新しい名物まで。ぜひ手にしてほしい、味わってほしい日本橋の逸品をご紹介する「日本橋 逸品図鑑」。今月は創業140年、注染(ちゅうせん)の浴衣と手ぬぐいで名高い「戸田屋商店」。

 あでやかな絵柄や渋めの文様、ユーモア溢れるモチーフなど、多種多様なデザインを手がける「戸田屋商店」。明治5年(1872年)、木綿金巾(かなきん)問屋として開業し、現在は昔ながらの注染という型染め技法を用いて、浴衣や手ぬぐいを製造、卸販売している。

 「かつて木綿は高価で、大事に使われていました。反物を浴衣に仕立てて、古くなると手ぬぐいにし、その後おむつとして使ったんです。“おむつ”は反物を6つに切ったという意味なんですよ。さらに雑巾にして、最後は生地を裂いて、はたきにしていました」と六代目の小林賢滋さん。エコな暮らしが見直されるいま、手ぬぐいへの注目もますます高まっているようだ。

 デザインは、小林さんと2名の女性スタッフが担当する。「少しひねりを効かせるのがうちの特徴です。一見、繰り返しに見える柄も細部を大事にしています」。毎年新柄を考案し、多いときには30種類も制作するという。「古典柄も、登場した当時は古典ではなく斬新なイメージだったはず。時代を超えて残ったから古典になったわけです。自分もそういうものをつくりたいと思っています」。

 手ぬぐいは祭りに欠かせない小道具。神田祭に出かける前に、ぜひお気に入りを手に入れて気分を盛り上げよう。

DATA
店名 戸田屋商店
住所 東京都中央区日本橋堀留町2-1-11
03-3661-9566
営業時間 土・日曜・祝日休
URL http://www.rienzome.co.jp