古くて新しい価値を紡ぐ店 濱甼高虎

2011年10月【第12号】
  • 表面と裏面でグラデーションに織られた「鰹縞の合財袋」3,750円(縦27cm×横20cm)。裏面の札に名入れもできる。紐がついているので小型バッグ代わりにもなる蛇の目柄「掛守」2,310円(縦14.5cm×横11cm)

  • 刺子のトートバック10,500円(縦30cm×横40cm)、iPadサイズのショルダーバッグ8,925円(縦30cm×横23cm)。カラーは、赤・グレー・白・黒・紫・緑などで展開。お好みサイズのオーダーも可能

江戸時代から職人の町とされてきた日本橋・浜町。その地に店を構える「濱甼高虎」は昭和23年(1948年)の開業だ。しかし前身は、日本橋・人形町に江戸後期に創業の染元「紺屋」という。紺屋の技術を受け継ぎ、今も染色工程にまで関わり半纏や暖簾、手ぬぐいや袋物などを仕立てている。

 手軽に求めやすいと人気が高いのは、江戸っ子たちが出掛ける際、一切合切のモノを入れた「合財袋」やお守りを入れていた「掛守」だ。使いやすさはもちろんだが、描かれている判じ絵(はんじえ)*も洒落が効いていて楽しい。

 玉の中に下駄を描いた「たまげた」、骸骨がキセルで一服する「骨休め」などは、図柄として見ても面白いが、種明かしされるとより魅力的に見えてくる。二代目・店主が手掛けるオリジナル判じ絵も興味深いので、謎かけの講釈をしてもらうのもよいだろう。

 昔ながらの袋物だけではなく、時代にあわせトートバッグなども提案。しかし生地には、火消し半纏に使われた刺子や古典図案を染め抜いた手ぬぐいなど、トートバッグといえどそこにも江戸が詰め込まれている。

 古くて新しい価値を紡ぐ、江戸っ子気かたぎ質の店である。

*ある意味を文字や絵に隠しておく遊びや謎かけ、判じ物や判じ絵と呼ばれた。

DATA
店名 濱甼高虎 (はまちょうたかとら)
住所 東京都中央区日本橋浜町2-45-6
03-3666-5562
営業時間 9:00~18:00(土曜は~17:00) 日曜・祝日休
URL http://www2.gol.com/users/ip0611031455

※上記は取材時の情報です。現在は異なっている場合がございます。予めご了承ください。