性別や世代、国境を超えて大勢の愛好家たちが足を運ぶ 榛原(はいばら)

2011年04月【第6号】
  • サクラ模様に心躍る、復刻図版の千代紙柄「はがき判箱」2,520円。竹久夢二が描く可憐な桜の「ゆめじハガキ」3枚入り315円

  • 計測記録紙のアイデアを活かしたミシン目入り蛇腹(じゃばら)便箋。ウサギの跳ねる姿を便箋にも描いた『跳びうさぎ』セット525円/絵師・柴田是真の桜をパッケージにデザインした『花くらべ』セット420円(中身は罫のみ)※ともに封筒10枚入

店頭の暖簾に刻まれた「雁皮紙榛原」の文字。滑らかで光沢のある雁皮紙を江戸庶民に向けて初めて売り出したのが、文化3年(1806年)日本橋に小間紙屋として開業した榛原だ。筆あたりがよく文字がきれいに書けると粋を好んだ江戸の町人の間で大評判になった。

 明治に入ると、和紙を輸出して日本の美を西洋諸国へと広める。さらに洋紙を輸入、日本で最初にクリスマスカードも取り扱ったそう。

そして大正時代には、計測記録紙を開発。今なお心電図や土地測量など多岐にわたる用途に活用されている榛原の計測記録紙は、昭和44年(1969年)にはアポロ11号に乗って月にも出向き、月面調査においても多大な役目を果たしている。

 創業から200余年、今も変わらず和紙や便箋、原稿用紙、水引きなど、多くの和紙商品が店内を彩る。最近では、江戸から大正にかけてのオリジナル図版の復刻モノに力を入れている。千代紙柄を文箱に、絵師の図版を便箋やハガキへと商品化。そのレトロかつモダンなデザインを目当てに、大人の乙女たちだけではなくアートに関わる人や外国人など、性別や世代、国境を超えて大勢の愛好家たちが足を運ぶ。

DATA
店名 榛原
住所 東京都中央区日本橋2-7-1 東京日本橋タワー
03-3272-3801
営業時間 10:00~18:30(土~17:30)  祝日、年末年始、お盆休
URL http://www.haibara.co.jp

※上記は取材時の情報です。現在は異なっている場合がございます。予めご了承ください。