日本橋でお気に入り探し

少しずつ早まる日暮れに秋の訪れを感じるこの頃。そんな季節の変わり目は、日々の暮らしにちょっとした変化が欲しくなります。今号では、毎日に彩りを添えるおに入りを探しに、日本橋案内所の小野寺彩子さんが日本橋の街を歩いてみました。

2012年09月 【第23号】

手づくりで刻まれる江戸のアート・和紙

目を引かれる商品が整然と並ぶ。

日用的に使える文房具や贈答品、金封、和紙小物まで、目を引かれる商品が整然と並ぶ。

『特選 千代紙詰め合わせ文庫箱』 「箸袋として」 目を引かれる商品が整然と並ぶ。 日本橋案内所の小野寺彩子さん

綺麗な柄を眺めてると、使い途のアイデアが膨らみます。
(日本橋案内所の小野寺彩子さん)

榛原(はいばら) まず足を運んだのは、文化3年(1806年)創業の榛原。何気ない絵柄にも職人の技が光り、伝統のアートを見て、触れて堪能できる。店内には、江戸のデザインを引き継ぎながら、現代風のアレンジも加わった魅力的な商品がずらりと並んでいるので、ぜひ訪ねてみたい老舗の一つだ。

色とりどりの千代紙を贅沢に 写真A/A4サイズがすっぽり入る漆風の塗りが施された文庫箱に、榛原オリジナル絵柄の千代紙を詰め合わせた『特選 千代紙詰め合わせ文庫箱』5,195円。アイデア次第でお気に入りのモノを華やかに彩る。

お気に入りを包んで 写真B/「箸袋として」食卓のさりげない彩りや、お客さまへのおもてなしとして、こんな使い方も。写真C/「ブックカバーとして」本のサイズに合わせて折れるので、フィット感は抜群。手に取るたびに和紙の心地よい手触りも味わえる。写真D/近日発売予定の新柄「風待草(かぜまちぐさ)」の千代紙。ポップで可愛らしく、同柄を使った小物も企画されているそう。乞うご期待。

榛原(はいばら)
東京都中央区日本橋2-8-11 2階
TEL 03-3272-3801
営業時間...平日10:00~18:30、土曜10:00~17:00
日曜・祝日休
www.haibara.co.jp

思いがけない出会いが見つかる古書店&ギャラリー

森岡書店

個人や古本市場で仕入れるという古書は、写真集やデザイン系書籍が多い。これらを気ままに手に取り、感覚で本を選んでみるのも楽しい。

定期的に内容が変わるギャラリースペース 定期的に内容が変わるギャラリースペース

森岡書店 茅場町の駅近く、昭和2年築のビルの一室にある森岡書店。レトロな家具や照明、古書が見事に調和し、時の経過や、ここが東京であることをつい忘れてしまう。古書は少しずつ入れ替わり、ギャラリーは1~2週間ごとに展示が変わるそう。素敵な一期一会に期待して通ってみたい。

写真A/定期的に内容が変わるギャラリースペース。写真や書籍、クラフト作品などの展示会が行われ、その場で購入できることも多いという。

森岡書店
東京都中央区日本橋茅場町2-17-13
第2井上ビル305号
TEL 03-3249-3456
営業時間...13:00~20:00
日曜休
moriokashoten.com

実用的&個性的な道具が揃う

生活道具屋 surou n.n

外の光がたっぷり差し込む暖かみのある店内。内装はオーナーの手作業によるところも多いという。

絵ろうそく サンヨウ テーブルランプ(調光式)日本橋案内所の小野寺彩子さん

肌寒くなる季節のインテリアにピッタリ!
(日本橋案内所の小野寺彩子さん)

生活道具屋 surou n.n 人形町に足を向けると、新大橋通り沿いにギャラリーを思わせるお店が。店内に並ぶのは、店主が厳選して集めた生活道具の数々。観葉植物から照明、器、皮革製品など品揃えは豊富なので、毎日の生活を少し贅沢にしてくれるお気に入りが見つかりそうだ。

自然なゆらめきが夜に趣を添える 写真A/洋ろうそくよりも大きく伸びる炎が特徴。燃焼時間は約100分。無地もあるが、写真の『絵ろうそく(3本)』2,625円は季節の絵柄も楽しめる。ゆらめく灯りでいつもと違う部屋の表情を堪能してみて。

読書の傍らに 写真B/アンティーク調デザインの『サンヨウ テーブルランプ(調光式)』14,490円。素材には無垢の真鍮もふんだんに使われ、レトロな風合いがある。曇りガラスが透過する優しい灯りで、リラックスした時間に浸りたい。

生活道具屋 surou n.n(スロウ エヌエヌ)
東京都中央区日本橋人形町1-12-11リガーレ日本橋人形町1階
TEL 03-5641-7663
営業時間...平日11:30~19:30、土曜11:30~19:00
日曜・祝日13:00~17:00
月曜、第一日曜休
www.surou.net

和紙が出来るまでを学び、"世界で一枚"をつくる

小津和紙 手漉き和紙体験 今回つくったのは、秋をモチーフにした絵柄入りと無地の和紙

今回つくったのは、秋をモチーフにした絵柄入りと無地の和紙(グループ・団体のお客さまは無地1枚のみ)。

1時間半で手漉き和紙体験ができる工房

1時間半で手漉き和紙体験ができる工房。体験後は、史料館や展示室を観たり、買い物をしたりと、楽しみ方が幅広い。

日本橋案内所の小野寺彩子さん

素早い作業に最初はとまどいましたが、自分でつくってみることで、和紙の新たな魅力を発見できました!
(日本橋案内所の小野寺彩子さん)

小津和紙 手漉き和紙体験 老舗が立ち並ぶ日本橋だからこそ、伝統文化を体験してみるのも楽しみ方の一つ。「手漉き和紙体験工房」を併設する小津和紙では、職人さんの指導のもと、和紙づくりを体験できるという。様々な素材で絵柄をデザインする工程はセンスの見せどころだが、自分だけのオリジナル和紙をつくることができるのは大きな魅力だ。

写真1/手漉き和紙の主な原料は「楮(こうぞ)」、「三椏(みつまた)」、「雁皮(がんぴ)」の3種類。店舗の外に植えられている木を見せてもらう。写真2/紙料を軽くすくう工程を2回、前後に20回ほど素早くゆする工程を2回行う。写真3/親骨についた繊維を取り、できた紙をネットへ移す。写真4/友禅紙や和紙、糸を使って絵柄を入れる。今回は「秋」をモチーフにデザイン。写真5/薄めに漉いた和紙を上に重ね、吸引器で水分を吸い取る。写真6/乾燥機に貼り付け、10分ほどして乾いたら完成。

小津和紙 手漉き和紙体験工房
東京都中央区日本橋本町3-6-2 小津本館ビル
TEL 03-3662-1184
料金...大人1,000円(A4判デザイン・無地各1枚)
子ども(小学生まで)500円(A4判デザイン1枚)
体験...午前コース10:30~12:00、午後コース13:30~15:00
www.ozuwashi.net
※体験工房は耐震工事のため、現在休止中

世界を直感的に捉えられる知的インテリア

地球儀専門店

国内外の様々なメーカー製品が揃った店内。実際の商品を、見て選べる、国内唯一の地球儀専門店だ。

天然素材で海・大陸を表現

地球儀専門店 知を刺激される秋、読書や映画鑑賞の傍らに置いてみたい地球儀。約150種の商品が常時展示されているという地球儀専門店なら、定番からインテリア向きまで、幅広いラインナップから選ぶことができる。お気に入りを見つけて、球体ならではの世界観を楽しみたい。

天然素材で海・大陸を表現 写真A/国ごとに異なる天然石や貝がはめ込まれた『宝石地球儀(水色パール)』24,150円(球径11cm)。すべて手作業でつくられているため、同じ商品でも表情が異なる。カラーバリエーションも豊富なので、部屋のインテリアに合わせて選べる。

知的な印象のユニークフォルム 写真B/デンマークのメーカーから最近発売された『Anglo/アングロ メタリックブラック』21,000円(球径25cm)。スチールベースの中央からすっと伸びる支柱が、独特のフォルムをつくり出している。

地球儀専門店
東京都中央区日本橋室町1-12-10 第2山田ビル1階
TEL 03-3272-0186
営業時間...平日10:00~18:00、
土日祝日10:00~17:00
不定休
www.globe-shop.net

古材のぬくもりと絵画が織りなすくつろぎ空間

古琥炉

ダークブラウンを基調とした店内。二人連れや女性一人で来店するお客さまも多いとのことで、店の落ち着いた雰囲気を象徴している。

壁の一部は小ギャラリー 自家製チーズケーキ

古琥炉(こころ) 厳選された豆を使い、丁寧にドリップされた深煎焙煎コーヒーを提供するコーヒー専門店・古琥炉。こだわりのカフェメニューに合わせてデザインされたという店内は、古材が至るところで使われ、壁面には絵画も展示。ほっとした気持ちにさせてくれる雰囲気が、街歩きの疲れを癒してくれる。

写真A/壁の一部は小ギャラリーになっており、油絵、水彩画、抽象画など、様々なジャンルの絵が月ごとに展示される。通うたびに雰囲気の違いを楽しめる。写真B/濃厚に抽出したドリップエキスに、クリームを浮かせた『琥珀の女王』600円。上品な甘さで、女性に人気とのこと。『自家製チーズケーキ』400円とのセットは900円。

古琥炉(こころ)
東京都中央区東日本橋2-2-10
TEL 03-3864-5564
営業時間...平日8:00~18:00(土曜は11:00~)
日曜・祝日休(年末年始・盆休みあり)

金魚とアートが紡ぎ出す幻想的な空間

華魚撩乱 水中四季絵巻

ダイナースクラブ 
アートアクアリウム展2012&ナイトアクアリウム
~江戸・金魚の涼~
8月17日(金)~9月24日(月)11:00~23:30
※最終入場は終了30分前

初秋にかけて日本橋三井ホールで開催されるアートアクアリウム展。今号の表紙を飾った「花魁」をはじめ、江戸文化をモチーフにした作品が多数展示されている。水槽で優雅に泳ぐ金魚たちは、残暑を忘れさせ、秋ならではのアートな雰囲気を味あわせてくれる。昼はもちろん、バースタイルになる夜には、ドリンク片手に幻想的な雰囲気を堪能してみるのも楽しい。

写真A/無数の金魚で彩られた川の流れを表現した「華魚撩乱」。写真B/プロジェクションマッピングにより投影された美しい日本の四季の中を、本物の錦鯉が泳ぐ8mの大作「水中四季絵巻」。

開催場所...日本橋三井ホール(コレド室町5階 ※入口4階)
入場料...当日大人1,000円、子ども(中学生以下)600円
※3歳以下は無料
※19:00以降は「ナイトアクアリウム」、または特別イベントなど貸切営業の場合がありますので、詳細は下記HPをご覧ください。
h-i-d.co.jp/art/