日本橋の魅力は、奥が深い。
実は老舗・名店の奥には、意外なお宝が眠っているのです。
江戸の大火や関東大震災、第二次世界大戦をくぐり抜けてきた博物学的価値のある品々。
それらは、さりげなく店内に展示されていたりします。
今回はそんな街に潜む歴史の証人たちを、ずらりと集めてみました。
蓋の内側に小津の名が入った千両箱。
「己卯(きぼう)一番組紙問屋」の看板。明治12年(1879年)に12軒の有力紙問屋で設立した己卯組は、日本初の和紙同業組合で、現存するのは同店のみ。
江戸期の擬宝珠。江戸東京博物館に展示されている1/2スケールのジオラマや日本橋1丁目の神輿に乗る擬宝珠は、これを摸してつくられたそう。
うぶけや鍛造打刃物類(中央区民有形民俗文化財)
名工・弥吉作の裁ち鋏。いまも使用できる
歌川國芳作「東海道五十三對・日本橋」。
三人の美女が並ぶ「梅の魁(さきがけ)」も國芳の作品。流行の着物を競い合う姿が描かれている。いわば当時のファッション誌。
3/19まで期間限定展示
上:細なカッティングが美しい菊と流水の型紙。
左下:使い勝手を考えて職人自ら手作りしている道具。右下:昭和初期、鎌倉・遊行寺の住職から贈られた書を染めた手ぬぐい(非売品)。現在ロゴマークになっている「竺仙」の文字の下にはウィットに富んだ言葉が続く。ぜひ店頭で確かめて。
3/19まで期間限定展示
「絹本着色 日本製菓子舗 榮太樓本店製造場略図」(複製)柴田眞哉作。(中央区民有形文化財)
創業時、店の玄関前にあった御影敷石。外側の枠組みは、当時の土間の大きさを表している。
大正から昭和初期につくられた細工楊枝。
左:「鉄砲」をかたどったもの。技のいくつかは現代の職人へと継承されているが、これは今つくられていない。
右:房楊枝には柔らかいハコヤナギが使用されている。