東日本大震災発生以来、暮らしのあり方を見直す機運が高まっています。
暑い夏を迎えるにあたり、今こそ自然と共生しながら都市を発展させた江戸の人々に思いを魅せ、
その知恵に学んでみませんか?往時、火災や震災、戦災と多くの苦難に直面し、
そのたびに力強く復興を遂げてきた日本橋や隅田川界隈では、今夏、被災地の復興を願い、
さまざまなイベントの開催を予定しています。
今月・来月の特集は(江戸に学ぶ心の涼)と題し、五感で涼を味わうイベントをご紹介いたします。
今月取り上げるのは、「川遊び・夕涼み」。
水都・日本橋に生きた先人たちの豊かな感性と粋を、ぜひ肌で感じてみてください。
野口孝一氏
1933年神奈川県生まれ。1963年東京都立大学人文学科研究科修士課程(日本史専攻)修了。高等学校での教職を経て、1993年より中央区文化財調査指導員。専門は近代都市史で、著書に『日本橋―東京の経済史―』『銀座物語』ほか、中央区の広報紙に連載していたコラムをまとめた『中央区区内散歩―史跡と歴史を訪ねて―』などがある。
海老屋美術店蔵「本朝名橋之内江都日本橋略図」歌川国芳画
豊海橋フィーレンディール橋と呼ばれる、はしごを横倒しにしたような鉄骨橋梁で、全国的にも珍しい構造。シンプルな枠組にリベットを打ちっぱなしにした鋲止形式という古い形態を残す。
清洲橋永代橋と対をなす橋として計画され、ケルン市の大吊橋、ビンデンブルグ橋をモデルに建造。優美なデザインは、関東大震災の復興事業の華ともいわれた。国の重要文化財指定。
永代橋女性的なデザインの清洲橋に対して、男性的な重量感にあふれるアーチ橋。清洲橋同様、ライン河に架かっていたルーデンドルフ橋をモデルに造られた。国の重要文化財指定。